深夜のポエム

突破

あたしママのこと大好きで

ママのセリフを唱えては

強くなれた気になってた

あたしママのこと怖くって

ママの答えを探っては

賢くなれた気になってた

あたしママのこと信じてて

ママのレールを走っては

正しくなれた気になってた

ママに死ねってぶたれた日

ごめんねって言うママの涙が

プラスチックみたいで

やり返していいなんて言われても

ガラスケースの中に入れないのと同じで

あたしの手がママに届くわけなかった

私は母さんのことを憎んで

いつも人の話を聞かないから

何も話さなくなった

私は母さんのことを軽蔑して

家族にこき使われる人生なんて

真っ平ごめんだと思った

でも母さんに会うときは

おいしいクッキーを買って

一緒に食べたいと望む自分を

やっと見つけた

母さんは昔より声が穏やかになって

よく笑うようになって

私は今度こそガラスを突き破って

その破片を握りしめて

血塗れの手を伸ばしてみる