彼は紛れもなく『暗黒騎士』だよ

ダンジョンの奥深くに眠る『魔剣』とそれを手に入れるためにやってきた『暗黒騎士』。
どうやら『魔剣』を手に入れるための試練として、自分自身のコピーを倒す必要があるらしい。
さぁ、戦闘開始!といかないのは『暗黒騎士』のらしからぬ性格と事情があり。

『魔剣』と『暗黒騎士』の問答の果てにあるものとは……。

RPGのあるあるやおきまりを交えつつ、コミカルで軽快さがある、一振りと一人の会話は、自然と読み進めてしまう不思議な吸引力がありました。

『魔剣』目線で綴られている本作。
RPG世界をメタ的に面白おかしく書いたものという認識で読み進めていると、風向きが変わるタイミングがあり、そこからは『魔剣』の心の声に同調する自分と目の前にはしっかりと可視化された『暗黒騎士』の姿がありました。

おいおいおいと。
そこからは虜になって最後まで読み進めることができると思います。

素晴らしい作品をありがとうございました。