第10話新たな試練


光がさざめき、周囲の幻影が消え去ると、俺の目の前には広大な空間が広がっていた。目を閉じて深呼吸し、心を落ち着ける。過去と向き合うことで得た力を感じながら、威厳を持って進む準備を整えた。


その瞬間、地面が揺れ、ゆっくりと現れたのは、一人の老騎士だった。黒い鎧を身にまとい、無表情で立つその騎士は、まるで俺を試すために召喚されたようだった。目が合った瞬間、背筋が凍る感覚が走る。


「ダリウス、選択の力を試されに来たか?」老騎士が低い声で問いかける。彼の言葉に、一瞬怯んだが、俺は決して後退しないと心に誓った。


「そうだ。俺は運命を受け入れ、自分の力を証明するためにここにいる!」自信を持って答えると、騎士は微かに口元をゆるめた。


「ならば、試練を受けろ。お前には二つの選択肢がある。俺と戦うか、あるいはこの場所に隠された真実を追い求めるか…どちらを選ぶかはお前次第だ。」


老騎士の言葉には、重みがあった。戦うことで自分の力を証明することもできるが、真実の探索にはより深い意味がありそうだった。心の中で葛藤する。


「戦うことも、真実を探ることも、どちらも自分の力を試すことに繋がる。だが、今はまだ自分を見失いたくない…。」一瞬目を閉じ、心の声に耳を傾ける。


ふと思い出したのは、村で学んだ「真実を追い求める勇気」という言葉だった。それは、過去を受け入れた上でこそ試されるものではないか。


「俺は、真実を追い求める!」声を張り上げて宣言する。老騎士は驚いた表情を浮かべたが、すぐに冷静な目に戻る。


「ならば、真実を探す道を選んだお前を、俺は見届けよう。だが、真実を探す道は決して容易ではない。お前が選んだその道には、無数の試練が待ち受けている。」


周囲の空気が変わり、幻想的な光景が崩れ始める。瞬間、俺は視界の中に現れた様々な扉を見つけた。各扉は異なる色を持ち、そこから微かな音が漏れ出していた。


「扉を選び、その先にある試練を乗り越えろ。一つの扉には選択、もう一つには過去、最後の扉には未来が待っている。」老騎士が語り終えると、静寂が訪れた。


どの扉を選ぶべきか、一瞬躊躇ったが、心の中の声が「未来に進むことを選べ」と囁いているように感じた。果たして、今の自分にとって、最も重要なのは未来を見据えることだ。


「俺は、未来の扉を選ぶ!」声を張り上げると、青く輝く扉へと近づいた。手をかけ、扉を押し開けると、鮮やかな光に包まれた。


扉の向こうには、見たことのない景色が広がっていた。まるで夢の世界のように美しい光景だが、同時に、そこには無限の可能性と不安が共存していることを感じた。


「さあ、進もう…!」心の底から湧き上がる力強さと共に、一歩踏み出した。未来の道がどこへ通じているのか、何が待ち受けているのか、今は分からない。しかし、一つだけ確かなことがある。それは、どんな試練が待っていようとも、俺は自分の力を信じて進むべきだということだ。


その時、光が振動し、俺を包み込む瞬間、何かが始まりつつある予感がした。新たな試練が、そして新たな力が、俺の未来を形作るために待っている。




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とりあえず書き溜めてた文を投稿しました不定期更新ですが1週間に1回は絶対に投稿します!初めての投稿で稚拙ですが面白そうと思ったらフォローお願いしますm(_ _)m

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虐げられた少年と運命の逆転 にゃんポコ @E9xcel

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