『冒険者ギルドで爆発 職員による暴動が原因か』

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 昨日早朝、王都マニュータ通りに面する冒険者ギルドの1階で爆発が発生した。


 関係者によると、地下室と1階のオフィスの一部が損傷し、地下室には当時6人のギルド職員がいたとみられる。命に別状はないが地下室にいた職員全員が負傷、ギルドの治療室で治療中だという。


 現場は王都中心の王城から南東に約400メートルの商業用区画。

 爆発の原因は職員による魔力の暴発。拘束具や争った形跡が残っていることからいじめや暴動の延長線上で今回の事件が発生したとみられる。


 当時現場付近にいたバー店員によると、言い争うような声の後に爆発が発生、発生と共に魔力を感知したという。「最近、ギルドマスターによるパワハラやセクハラの噂もあり、職員には不満が溜まっていた人もいるようです。ギルド近くで働いている身としては大きな騒ぎにならないか心配です」と怯えた表情で語っていた。


 冒険者ギルドには一部自治権が認められているため王国軍による捜査がなされるかは不明。

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 ☆


「こんなもんじゃないか」

「あら、告発文を書いているんじゃなかったんですね」


 バーの2回の倉庫で硬い羊皮紙に悪戦苦闘しているとフィナーナがのぞき込んでくる。


「告発文なんて、俺みたいなただのニートが提出しても暖炉の燃料になるのがオチさ。奴へのトドメは正義感にあふれている社会の皆様にお任せするよ。それまで社会的に殺すまで誘導させるけど」

「冒険者のギルドに対する正式な告発文であれば王国で受理されるはずでは?」

「冒険者じゃないんだよ。俺は」


 ギルド職員は必ずしも冒険者ではない。

 冒険者に資格はあったとしても、活動していなければ冒険者とはみなされないのだ。


 つまり、冒険者に適用されるギルドの搾取に抵抗する権利もない。


「だから、社会に叩いてもらおうかなってことで、メディア作るぞ」

「メディア、ですか?」


 フィナーナはいつもの澄ました雰囲気とからはかけ離れた、幼児のようなキョトンとした顔で小首をかしげる。


 ──そう。

 この国にはメディアが、ない。


 魔物の出現情報や素材の取引価格など各職業に関する情報は各ギルドが、祭事や戦争といった国家の威信がかかるイベントは王室が発信しており、そのすべてを網羅するプラットフォームとなるメディアが存在しないのだ。


「この国に流通する情報を全部俺のもとに集めるんだよ」

「情報屋、ということですか」

「いや、得た情報のほとんどは包み隠さず国民の皆様に開示するつもり。その方が世論を動かすことになるからな」


 そう言って、書き上げた原稿を天井のおぼろげなランプの光にかざすと、乾いていない青に近い黒インクが細かなきらめきを放っていた。


「情報は卵だ。人の思考に、心に入り込んで尾ひれのついた怪物になる卵。羊皮紙1枚分の文字が国家を揺るがす魔物になるなんて、下手な小説よりロマンに満ち溢れていると思わないか?」


 武力がなくとも、優れたスキルが無くても、国を、世界を動かす力がペン一本から生み出される。

 これほどロマンのあるジャイアントキリングはない。


 が、フィナーナの反応は冷めたものだった。


「いいえ。私には関係ないことですので。復讐も勝手にどうぞ。ただし──」


 ランプが彼女の魔力で砕け散る。

 喉元に突き付けられた切っ先はポインターのように凛とした光を喉仏に向けられていた。


「国民たちを危険にさらすのであれば、私があなたを殺します。それだけはお忘れなきよう」


 そう言い残すと、剣をおさめ、フィナーナは出ていった。


「はいはい。上級冒険者のカルヴィン様は忙しいこった」


 彼女が出ていった扉を眺めながらひとりごちる。


 しかし参ったな。フィナーナはこちらに取り込むつもりだったんだけど、ここまで明確に反発されるとなぁ。


 公権力に対する抑止力というか、メディアとしての箔付けとして引き入れたかった。

 交渉のための算段も、策もあった。


「イレギュラーは関わってなければおいしいネタなんだけどな……」


 ぼやきながら机の方へ向き直る。

 コピーの魔法のおかげで大量生産は難しくない。


 ただ、大量生産した記事を流通させるための人出が足りないという事実が大きな壁として立ちはだかっている。


「バーの前で配ったとしても一人だと王都全員に記事がわたるまでに何か月かかんだ?」


 1日50人程度が受け取るとして……いやそもそも冒険者しか来ないわ。このバー。


 椅子の背に全体重をかけるようにして割れたランプをボーっと眺める。


「どうやって読者を増やす? そもそも信用されるメディアになるには……記事の正当性と根拠の提示は必要。無料配布も大前提。そのうえで、どうするか。バーは、頼み込めば配布はしてくれそう。なじみの冒険者たちも王都にいれば協力してくれるかもな。口コミ方式、いけるか?」


 とりあえず明日、メディア会社としての概要と配布方法の決定のための脳内会議を行う!


 以上、解散!!


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【あとがき】


 すみません! お久しぶりです!


 明けましておめでとうございます!

 リアルがちょっと人生の岐路に立たされているので更新遅くなってしまいました!


 この作品は順次更新していく予定です!


 少しでも「面白そう!」「続きが気になる!」「期待できる!」と思っていただけましたら広告下から作品のフォローと星を入れていただけますとうれしいです。

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 なにとぞ、よろしくお願いします。


 本年もよろしくお願いいたします!

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転生した異世界で新聞社を作ったらペンがチート武器になってしまった 紙村 滝 @Taki_kamimura7

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