突然の! 大人の男の罰ゲーム!
崔 梨遙(再)
1話完結:900字
僕が30歳くらいの時の話。僕、僕の上司、上司のお客さんの社長と専務、4人で飲みに行くことになった。お客さんの専務が贔屓にしていたフィリピン・パブ。行くと、開店の15分前で、ドアのノブに closeの札がかかっていた。
そこで、専務がイタズラを思いついた。4人でジャンケンをして、負けた者が罰ゲームをすることになった。専務以外は乗り気では無かったが、結局、みんなでジャンケンをすることになった。
で、僕が負けた。僕は昔からジャンケンが弱いのだ。罰ゲームは僕になった。罰ゲームとは、いきなりドアを開けて乱入して、“動くな!”と叫ぶだけ。ただ、それだけだったのだが……。
僕は深呼吸をしてからドアを勢いよく開けた。そして勢いよく中に入ると、ただ一言だけ、
「動くな!」
と、叫んだ。
10人くらいのホステスさんがいた。僕の登場で、一瞬の静寂があった。そして、次の瞬間、
「「「「「「「「「「「きゃーーーー!」」」」」」」」」」
もう、大騒動。なんで皆さんが動揺したのか? それはわかりません。わからないということにしておきます。騒ぎになった理由を聞いていませんので。皆様は、どう思われますか? 気付いたらホステスさん達はみんないなくなっていました。
で、大騒ぎになってこっちの方が驚いていると、ママさんが歩み寄って来ました。両横に、身長180~190くらいの黒スーツの、SPみたいなサングラス男を連れていました。
「閉店です、帰ってください、閉店です、帰ってください」
僕は左右をSP? に囲まれて絶体絶命! この時、僕は思いました。
「あ、僕、ここで死ぬんだ……」
そこで、専務達が笑いながら入って来ました。僕、危機一髪セーフ!
その後、どこに隠れていたのかわからないホステス達が出て来て、僕のグラスに酒を注いでくれるのですが、ホステスさんの手が震えていてバシャバシャこぼし、僕のスーツの股間はびしょびしょになったのでした。
大人になって、何をやってるんだろう? その日、僕は早く帰りたかった。
突然の! 大人の男の罰ゲーム! 崔 梨遙(再) @sairiyousai
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