第6話

リゼッタはその場で蹲る。

話を聞いて貰えない事に嘆きを覚えていた。


「お願いです、話を聞いて下さい…体は変わっても、マスターだけ想い続けてる、この気持ちだけは…」


そして彼女は自らの髪に巻いたリボンを外した。

これは、クリストが彼女に与えた髪留めだ。

それを彼女は後生大事に持っていた。


「この、貴方様がくれた、リボンがあったから…私はずっと、心の支えに…」


掌に乗せたリボン。

それをみたクリストは椅子から立ち上がり彼女の元へ近づく。


「そのリボンはなぁ、お前とのフラグが立つ事を前提に渡したものなんだよ…だけど、お前、もう要らないんだよ」


そして彼女のリボンを握り締めると共に。

肉体から発生する電気によって、リボンが燃えてしまう。


「あ、ぇっ、りぼ、え、あっ?!」


自分がずっと大切にしてきたものが、一瞬で消え去った。

その事が飲み込めずに呆然としている彼女にクリストは更に追い打ちする。


「はい、これでお前とのフラグは完全に無くなったから、もう俺に話し掛けてくるなよ?クズ売女」


そう言って、蹲る彼女を蹴り上げた。

床に倒れる彼女は、クリストとの関係が完全に無くなった事を理解する。


「ふっ…ぅっ…うううッ!あぁぁぁ…」


大粒の涙を流して泣き出す彼女の顔を見て、辟易とした表情を浮かべるクリスト。


「泣きたいのはこっちだっての…おい!誰か居ないのか!!」


彼の呼び掛けに対し、数少ない男性の騎士達が部屋に入って来る。


「はい、如何されましたか?」


リゼッタが蹲って泣きじゃくる様を見ながらも、最初にクリストに用件を聞く。

するとクリストは、彼女を指差して嫌悪感を浮かべながら言った。


「この女、裏切り者だ、即刻、捕らえて処分しろ」


それは決して聞き捨てならない言葉だった。


「ぇ…?」


顔を上げて彼女は目を丸くしながらクリストを見る。

彼の表情には一切の情も彼女に抱いている様子は無かった。

これにより、彼女は完全に察しただろう。


(もう、マスターは、私のマスターじゃ、ない…)


余りにも豹変したクリストの姿に、彼女はそう思う他無かった。

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スケベしないと出られないダンジョントラップから始まる異世界ダンジョン、異世界ファンタジー、略奪ハーレム 三流木青二斎無一門 @itisyou

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