第3話 初めての突撃
撃ち合いが終わると直ぐに現地の隊長によって整列させられた。塹壕の向こうには同じように整列し、こちらに銃器を向けているイギリス軍、フランス軍、ベルギー軍兵士達の姿がうっすらと見えた。
エドワード・ハンス「何が始まるんだ…」
既に疲労に襲われていたエドワード・ハンスはボソッと呟いた。すると隣にいたベテラン兵士のケース・バーンがエドワード・ハンスの方を向いた。
ケース・バーン(ドイツ軍ベテラン兵士)「何が始まるって簡単さ、あいつら向けて突撃して塹壕を奪い取るんだよ。じゃなきゃベルギーは抜けられん。さっさとベルギーという通過地点を抜けてフランスに侵攻しなければクリスマスまでに戻れず、帰るのが遅くなる」
そう言っている間にホイッスルが鳴り、ドイツ軍兵士達が一斉に塹壕から出て突撃を始めた。対するイギリス軍、フランス軍、ベルギー軍兵士達は手に持っている武器で応戦し、ドイツ軍兵士に容赦なく弾丸を浴びせた。後ろからも砲撃の支援があった。ドイツ軍兵士は次々と血を吹き出しながら倒れたり、砲弾で体を飛ばされたりなどして数を減らしながら前進した。エドワード・ハンスはケース・バーンの後を追って突撃をしていた。いつもの友達達とはハグれてしまい、心細かったのだ。ケース・バーンは上手く弾や砲弾が飛んでこない場所を選びながら全力で進み、少しずつイギリス軍、フランス軍、ベルギー軍の塹壕に近付いてきた。
マイク・ターン(イギリス軍兵士)「さっさとチョビヒゲ野郎共を殺せ!数は減ってるが近付いてきてやがるぞ!」
イギリス軍、フランス軍、ベルギー軍の連合軍兵士達は自分達の塹壕に突入されれば接近戦で死ぬ確立が大幅に上がることを知っているため、何としても全力でドイツ軍兵士を殺していた。エドワード・ハンスは突撃しながらも辺りを見渡していると無念そうな顔で倒れたままのドイツ軍兵士や砲撃で手足を失いながらも意識があり、叫んでいるドイツ軍兵士などが沢山いた。銃を持ち、立って突撃をしているドイツ軍兵士などは全体の半分以下と言っても過言ではなかった。エドワード・ハンスが余所見をしていることにケース・バーンは肩を叩いて前を向かせ、自分に連いてくるよう言った。
ケース・バーン「もう少しのところで油断して死ぬのが勿体無い。折角の生きる機会を得られているのだ。もう犠牲など関係ない。既に戦争が始まって両軍共に合わせて1千人が死んでいるからな」
そしてもう少しのところで塹壕に近付くと更に砲撃の回数が増え、ドイツ軍は数をどんどん減らしてしまった。ケース・バーンに連れられ、エドワード・ハンスは砲撃でできたくぼみに隠れて一度やり過ごそうとした。
恐ろしさを知る @jgbjgbj
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