第101話
完全にリオのペースに呑まれる。
それは嫌ではなかったけれど、
「……キツい?」
息の上がったリオはアタシを見つめてそう言った。
アタシは無言で首を横に振る。
同じように息が上がってるアタシの心臓の辺りに彼は軽く手を置いた。
「いざ沙良に触れると……余裕がなくなる。この前それがよく分かって、また触れたら自分の思いのままに壊してしまうと思った。だけど君の部屋に行くのは止めなかったけどね。」
「っ……、」
リオが動くとアタシはそれに答えるように身体が反応してしまう。
それは優しくもあり、
とても欲情的だった。
「沙良、愛してる。」
本当は、この言葉が聞きたかったのかもしれない。
リオに触れられたいとかのそんな感情ではなく、
彼の心に触れたいとアタシは望んでいたんだと理解する。
本当の彼の心の声が聞きたかった。
アタシは彼の背中に腕を回してきつく抱きしめる。
リオを凄く愛しいと思った。それを伝えたい……、
「ねえ、沙良、」
アタシに抱きしめられている彼は少し冷静な口調で呼ぶ。
「なに……?」
「もう遠慮しないから、“火”をつけた責任、これから毎晩とってもらうから。」
!?
浜崎沙良、数か月後にお見合い結婚します――――。
番外編2 END
スペシャルラブ【完】 うすい @adamu516
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます