第100話

「は……、そんな事言って後悔するんじゃないの?」


リオは少し視線をずらして薄く笑った。


「……リオを知りたい、と思う事はいけない事なのかな、」



アタシは彼の腕にそっと触れてみた。


それにリオは反応するみたいにアタシと視線を合わせる。

そして不意にアタシの肩を押す。


そのままアタシはソファーに倒れる。


アタシの視界は彼で塞がれてしまう。


リオはアタシの耳元に顔を寄せる。それだけでもアタシの心拍数は半端ないのに、


「あ、明日仕事なんだけど……っ、」


そんな雰囲気も読めない言葉がアタシの口から出てしまう。そんな事を言いたいんじゃない。

後悔してももう遅い。


リオはアタシの言葉をどう受け取ったのか、数秒間何も反応がない。


アタシが彼に声を掛けようとした時、


首筋に瞬間熱い痛みが走った―――。

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