第99話

「ど、どんなって……っ」


リオの近さと言葉にアタシは焦る。


そんな言えるわけない。


アタシに触れて煽るように何度も唇に触れるリオを。


「あ、顔あかい。」


「わっ……、」


思わず彼の手がアタシの頬に触れるから身体がゾクリとした。


それは恐怖とかのものではなくて、彼の妖艶さが頬から伝わる甘い疼きだった。



「夢の中でも俺は沙良をドキドキさせてた?」



アタシは無言で頷く。


ドキドキする以上。


ううん、アタシはもっと……、


「リオに触れて欲しいと思ってた……。」



彼と視線を合わせていたアタシは気づいた。


リオの瞳の奥に揺らいだ感情を―――。

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