第2話 猫の剣士

私は県立高校に通う2年生の西山桃香。

趣味は漫画で、特技は中学で吹奏楽部だったのでフルートをたしなむ程度。


ミロと出会ったのは1ヶ月前の10月初旬。

高校の授業が午前中で終わり、

自宅の最寄り駅を降りてからコンビニで卵サンドとミルクティを買い、お腹がすいたので公園のベンチで食べようとしていた。


すると木陰でゴソゴソ動く物がいたので覗き込むとシルバーグレーの可愛い猫。

よく見ると左前足にキズが。


「大変。猫ちゃん。大丈夫?」


思わず拾い上げ、近所の動物病院に連れていった。


キズは大したことはなかったけれど、猫を拾って病院まで連れて行ったことに

帰ってから母親には少し怒られた。なんせ動物病院は治療代が高い。

幸い母も動物好きなので、すぐ猫を撫でていたけれど。


「あの時は本当に助かった。」キズを負い手当てしたもらった事に感謝するミロ。


「俺のいた世界は国同士の権力争いが起こっているんだ。」

ミロはその世界では剣士で、キズを負いながらこの地にやってきたらしい。

剣士のミロ。カッコイイーってニヤニヤしている私に呆れ顔のミロ。

長靴を履いた猫的な衣装なのかなって勝手に想像している私。

あー、見てみたい。剣士のミロ。


「この地にいる妹を迎えに来たんだ。」とミロは言う。


ミロには5年前に別れた妹がいるらしい。妹は当時、10歳。

ということは、現在は15歳で中3くらいよね。


5年前、命を狙われた妹をかくまうためにこの地に連れてきたようだ。

妹も猫よね、モフモフよね?ニヤニヤが止まらない。

「この辺りの者に大切に育てられているはずなんだが、、、」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る