国境を越える、二度目の恋の物語
- ★★★ Excellent!!!
舞台は中国、唐の都。三十にして夫と離縁した白霞は、実家の長安の茶肆に戻り、そこで遣唐使の一人である大川と出会い、運命的な恋に落ちます。
遣唐使といえば、歴史の授業でサラっと学ぶことも多いかと思います。
だいたいの人は『唐に行った人』くらいの知識かないかもしれません。(特に私)
ですが、この物語では作者さまの深い歴史の知識によって、遣唐使たちが歴史の上を歩きながらも生き生きとした姿で描かれています。
繁華な街並み、賑わう人々。作中で鮮やかに描かれる唐の姿は、まるでそこに唐の都があるかのようです。
また、主人公の周りを彩る、個性的な人物たちもポイントです。彼らは一人一人がさまざまな事情を持っていて、いい人も悪い人もたくさん出てきます。はじめは嫌な奴だと思っていても、彼らの物語を追っているうちにいつしか感情移入してしまいます。
そんな彼らの物語を、最後まで丁寧に一人ずつ紡ぎあげているところもまた本作の魅力の一つだと思います。
もちろん、お話の中心は主人公である白霞と、ヒーローの大川さまです。
国を隔てた二人の愛。それでも共にいようと誓う二人の愛。
彼らの愛がどのような運命を進んでゆくのか。
この辺は本編を読んで是非確認していただきたいです(*´ェ`*)