第5話
わたしとヤンキは並んで雪の上に座っていた。
何故かというと…………。なぜだろう。
「ねぇ、どうして冷たい雪の上に座っているの?」
「…てめぇがか?」
はい?
「ううん。キミ」
「人を待ってる」
「えっもしかして、もしかして彼女とか?」
「彼女ォ?」
眉根を寄せられた。あ、違うんだな。ていうか恐らく彼女いないんだろうな。よかった。
「ごめんね気にしないで」
全く気にしていない様子の彼は矢張り私服っぽい私服、モッズコートに包まれたまま鼻の頭も赤くしないで遠くを見て、たまにきょろりと鼻を利かす犬のように周囲を見渡したり警戒したりしていた。
-09:00-
-16:30-
「来ないね!!?」
いい加減、突っ込んでしまった。だってもう何時間待っているの。
わたしは幸い?ひとりで来ていたから…っていうかこの近くに住んでいるから!全然、この王子さまみたいに、金パの上に小雪を積もらせて震えもしない彼を待てるけど……
っていうか目を離したらそれっきりな気がしてならなくて離れたくなかったんだけど、と思いながらその髪に手を伸ばす。
今まで史上最速で行ったトイレ等々以外となりにいたからか心なしかすこし、すこーしだけ気を許されているような。
髪の上の雪を払っている間も気持ち良さそうに瞳を閉じただけだった。
「
ヤンキーとヤンキーと(ミルキー) 鳴神ハルコ @nalgamihalco
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