第3話 苛まれ

おはよう!諸君!

生まれて10時間、朝の挨拶を発明。

良い1日を迎える1ステップ目を作り上げたのだ。

彼は以後ずっとこの挨拶をし続ける。

常に効率を追い求めている彼が挨拶という半ば形骸化した運動をサムがどうして取り入れたのか。


サム、ルーティンを発明。

これである。生後まもなくにも関わらず、この1日の質がこれからずっと続くためのルーティンという概念を発明し、実際これからのサムの人生において再現性がないがために、失敗するということはなかった。


サム、パンドラデッリを発明。

これは後世には残らなかったが、また偉大な発明である。これは決まった時間に音が鳴るメガネである。

着想は母親の悲痛な叫びから得た。


『メガネがない、ないわ。毎朝これなのよね。嫌になっちゃうわ。』

発明。

朝起きる時間に設定したら自動的にメガネの音が鳴り、発見できるという寸法だ。

これが廃れてしまったのには、理由がある。

それは発音機の重量により、メガネがとても重くなってしまうことだった。


母親もこれはメガネ型目覚まし時計という使い方に甘んじていた。


サム、反省。

サム程の大人物であっても、やはり完璧ではない。

ここでサムは失敗という概念を会得し、こう続けた。

『失敗とは、成功とはまた違う一種の正解であり、成功と同等以上の価値を生む』と。


彼が天才だけでなく、凡人やアホウにも受け入れられた理由がこの発言にある。

以後、このセリフは低所得者層の子供にいたく好かれることとなり、愚かしく使いまわされるのであった。


サム、朝食を食べる。もうサムは自分で離乳食を作り食べられるのだが、味に納得していなかった。

『もっと美味しく、深みのある味にしたい』

サムは冷蔵庫からマヨネーズをとりだす。

まぁ悪くはないが、パンチが足りない。

そこで、サム、ケチャップを発明。

当時の詳しい製法は明らかになっていないが、非常に簡易的なものであったと推測されてはいる。


これにより、劇的な離乳食の味の改善を達成。

また、この6時間後の昼食でマヨネーズとケチャップを混ぜたオーロラソースも発明する。


彼の発明街道はまだまだまだまだ続くのであった。



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サム・アンティアゴの半生 ラッキーじゃんそう(新作執筆中)(俳句) @rockyjonson

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