後悔しない方法を考えてみた

海青猫

第1話

 ここを見に来た人は後悔したことがあるということだろう。

 人によっては、転ばぬ先の杖で見に来た。もしくは、なんとなく興味があるだけだったのかもしれない。

 定義がぶれるのも問題なので、後悔の意味は《自分のしてしまったことを、あとになって失敗であったとくやむこと》という前提とする。

 成功してしまったと悔やんだりしないだろうから、失敗したことがが前提になることは間違いないだろう。多分。

 死ぬ直前に後悔しない方法をうたった本を読んだことがあるとか情報感度が高い人は、すでに後悔しない取り組みを始めているかもしれない。

 (ちなみに人間関係や、健康のことが主な後悔の理由らしい。人に対して素直になるのが大事なのかもしれない)


 自分としては、人はなぜ後悔するのかは、過去に選択したことが唯一無二ではなく、別の選択ができたと思えるからだと思っている。さらに過去にさかのぼり、別の選択をすることで今の苦境が改善できると思うからだろう。


 健康を害し、病気になって後悔した場合を例とする。

 過度に労働して、不摂生な生活をし、夜中に超加工食品を食べ続けて、ついには病気になってしまったとする。

 病気になり、苦しい思いをしたとき、はじめて後悔するわけだ。

「あの時、運動しておけばよかった」、「残業などせずさっさと帰っていればよかった」 、「食事に気を付けておけばよかった」とか。

 過去に別の選択ができたと思ってしまうわけだ。

 ただ、結局過去にさかのぼってもそんな選択ができるとは限らない。

 仮にタイムマシンで過去に戻り、別の選択ができたと仮定してもそのことで事態を悪くするかもしれない。残業せずに帰ると今の地位に上り詰めることもできず、失職してしまっているかもしれない。その結果、現在まで生きることができず、命を絶っているという事態も考えられる。

 もちろん、良くなっているかもしれないが、その保証はないと考えると、後悔の念もまるでなくならずとも少なくすることができる。

 これが後悔しない方法の一つだと自分は考えている。

 

 今、「なんだ。そんな答えか……読んだことを後悔したぞ」という声が聞こえてきたぞ。

 後悔しない方法を教えると、きっとあなたは、この話を読むことが唯一無二の選択だったと思うのだ。そして、読んだことで今後、後悔の念が薄れるなど、きっといいことがあるとおもうといいだろう。



 

  

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