第3話 私の夢
キーンコーンカーンコーン。
「おっはよ〜!」
チャイムがなると同時に、いつも通り教室に滑り込む。
「何が、おっはよ〜!だよ。遅刻ギリギリだってのに。全く」
むっ、うるさいやつ。
隣の席でいつも小言を言うこいつはフウキ、フウキ・ヴェントゥス。風を司る国、アイレのプリンスなんだ。
ムカつくことに、学校の成績はいつも満点、運動神経バツグン、顔も良くて学校の女子たちに優しい(私以外!)から学校の女子たちのハートを鷲掴みにしてる。
銀色の髪に凛とした緑の瞳、確かに目立つ容姿をしてるけど……。
どうしてあんな奴が良いのか、私にはよく分からん。
「おはよ〜、ララちゃん」
お、この声は……。
「アクア!おはよ〜」
後ろから声をかけてきたのは、水を司る国、ヴァダーのプリンセスのアクア。姓はアークワー。
成績がすごく良くて、学校でも1、2を争うくらいなんだ。
なのに威張らなくて、おっとりしてて優しくて、守ってあげたくなっちゃうような子。
そして、金色のふわふわした癖毛の長髪に透き通るほどの水色の瞳の持ち主、つまり超絶美少女なの!
実は彼女……フウキのことが好きみたい。
だから、私は密かに2人のことを応援してるんだ。
でも、フウキの良さは分かんない!
「今日もチャイムギリギリか」
むむ、この声はリュウキか。
アクアの横からひょっこりと顔を出して私を見るこの少年は、リュウキだ。姓はダーグン。
リュウキは龍を司る国、ロンのプリンス。
成績は得意なものと苦手なもので両極端に分かれるけど、得意なものは世界的な大会で賞を総なめするくらいの実力を持ってる。
運動もできる方。
顔が良くて茶色のベリーショートの髪に藍色の瞳が特徴的、男子からも女子からも好かれる人格者。
ちなみに、こいつも女子からモテてます。
でも人が良さそうに見えて、ちょっとSなところがあるんだよね。
この3人とは幼馴染で、生まれた頃からの仲なんだ。
でも、そんな3人にすらまだ話してないことがあるの。
それは、私の夢のこと。
私には夢があるんだ、人間界にある
魔間石には持ち主に託された役割を引き出す力があるんだって。
その他にも能力があるみたいなんだけど、今のところその他の能力は不明。
そして、その魔間石がどこにあるのかも不明、何なら実在しているのかすら分からない幻の域なんだ。
きっと、そんな物を、探しに行くって言ったら、この3人には呆れられちゃう。
でも、魔間石とその能力が私には必要なんだって、私の大好きなおばあちゃんが言ってたから私はその言葉を信じてる。
おばあちゃんの言うことは外れたことがない、だから冗談じゃないって信じてるんだ。
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