第2話 私、ララ、よろしくね!

「おはようございます、プリンセス」


わっ、どこからか声が……。

プリンセスってことは、ネージュの城内だよね。


「プリンセス。早く起きないと、学校に遅れてしまいますよ」


耳の近くで再び声がする。

その声に、重い瞼を開けると、


「だ、誰〜〜〜!?」


ボヤけた視界に人の輪郭が現れた。


「誰〜〜〜じゃありませんよ。寝ぼけてないで、起きて下さい!」

   

ピントの合ってきた目で見ると、そこには侍女のリラが。

いつも大きなメガネをかけててオタクみたいなの。

あ、本人に言っちゃダメだよ、怒られちゃうから。


あなた誰?って思った?

自己紹介忘れてた……テヘッ。

魔法界の時を司る国、ネージュのプリンセスのララだよ。姓はラドセルフ。

見た目はね、白い髪に、グレーの瞳と透き通るような白い肌ってよく表現されてるかな。髪の毛のセットはよくツインテールにしてるよ!

あまり勉強は得意じゃないけど、みんなにはいつも魔力すごいねって言われるんだ。


「プリンセス、お急ぎ下さい。女王様が朝食室でお待ちです」


やばっ、ママと朝食を食べる約束してたんだった。

急がなきゃ!

ママって怖いんだよねぇ。

怒ると私を雪山に放り込むんだ。ちなみに、体の芯が凍るまで助けてもらえないの。

めちゃくちゃ怖いでしょ?


……ってそんな話してる場合じゃなかったんだ、ゆっくりしてると学校に遅刻しちゃう!

え、学校ってものがあるのかって?

うん、魔法界にもあるんだよ、学校。

学校に着いたら、私の通う学校がどんなところなのか教えてあげるね。


「ララ様ー」


あ、リラが読んでる!


「はーい」


じゃあ、朝食を食べにママのところに行ってくるね。

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