優しいから、色んな人の気持ちを考える。でも、君の気持ちは、君だけのもの

その女の子は、ボロボロの黒いランドセルを背負っていた――。
学校から家に帰ろうとすると、"ぼく"はカギを無くして困っている千代ちゃんを見つける。声を掛け、自分の家に連れて行くと、千代ちゃんはこう言った。
 
「これね、ランドセルだけど、ランドセルじゃないの」

それは、『誰にも言ってはいけない』と言われた話。
だけど彼女にとっては、誰かに話したかった話。それを聞いた"ぼく"は…

子どもは思っているほど子どもではなく、大人は思っているほど大人じゃない。

だからどうか、感情を抑え込まず、表現出来る場所があって欲しい。
きっと無くしたものがあっても、共有することで生まれるものもあると思うから。

その他のおすすめレビュー

肥前ロンズさんの他のおすすめレビュー3,247