ロリニョル

山中にひっそりと隠匿する事100年

ベリアは何度目になるか分からない退屈を感じていた

人付き合いもそこそこに毎度の様に突然行方をくらまし人の記憶の中から忘れられるであろう年月を過ごすのは仕方ない事とはいえ

「暇だわ」

意識はせずとも呟く程度に今の環境を良しとはしていない

「そろそろ行こうかな」

しかし季節は丁度春を迎え予定していた通りに隠遁生活を辞めて山を下り人里へと向かう

だがその容姿はとても100年の歳月が過ぎたとは思えない。

平凡な顔付き、華奢な身体、低い身長、粗末な服。

誰が見ても彼女、いや少女が20代を越えるどころかそれ以上の歳と思う事はないだろう。

平凡、いや少し貧相な村娘だ。

この物語はそんな少女？ベリアの旅路である