第5話

聖女もほとんどが同様で、リィースター家の人間が神と契約し、人々を救う能力を願った結果だ。

ただ、聖女には私たちにのような契約はないのに。


「クロエお姉様っ、」


私がシロエの横に座り、シロエがまた怪我をしないよう外を眺めながらそうやって考え事をしていたら、シロエの私を呼ぶ声が聞こえた。


「、?」


私がいた、左側のガラスの方に人が飛んでくる。

さっきの襲撃では、ガラスが割れた程度だった。

でも今回は人もいる。

まだ力が覚醒していないヴァンパイアとニセモノとしかがのっていないこの馬車ではもうどうしようも出来ない。

馬を操る人がいても、その人を巻き込むことは出来ない。

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