短歌初心者なので、一句だけでいいですか
真衣 優夢
稲刈り
思いついた短歌を書き残した、それだけです。
稲刈り機 押し帰る影
蛙の目
両脚切られて 稲株に沿う
この時期になると思い出します。
無理矢理手伝わされていた稲刈り!
女子高生に何させんのさ!
しかも怒鳴られながら作業するんだよ、なんの地獄ですかね。
俳句は実際に見たものです。
忘れることができません。
田んぼでは、多くの生物が、まさか一日で稲が刈られると思わずに生息しています。
カエルさんを発見する度、逃がしていた私ですが、この子はどうにもできませんでした。
奇跡か、絶望か、稲刈り機はカエルさんの命を奪わず、跳び跳ねるための両脚だけを切り落として。
じっとうずくまる姿に、言い様のない思いで胸が痛んだのを思い出します。
私は今でも、稲作の土の匂いが好きになれません。
響き渡る怒鳴り声と、あの子の目を思い出すのです。
両生類、爬虫類、虫、人体に危険がなければオールオッケーな女です。
短歌初心者なので、一句だけでいいですか 真衣 優夢 @yurayurahituji
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