第二話 廃墟
この廃墟は木造建築で*日本家屋のような造りで人が離れて暫く経っているのか、蜘蛛の巣や埃が目立っている、それなのにも関わらず玄関の引き手は手が触る所だけ錆びが新しい様だ、誰かが最近まで通っていたのだろう、それも頻繁に。まぁあらかたどこかの親か祖父母が住んでいたが体調が悪くなり子供などが通い詰めていたが、ここ最近亡くなった、もしくは子供と一緒に住む事で何かあってもすぐに対応出来る様にしたのだろう、それなら介護に掛り切りで掃除が疎かになっていても納得がいく。
とまぁそんな事を考えながら近付いて行く、一歩また一歩と近づくうちに不安が押し寄せてくる、もしかしたらこの家の中で孤独死してるかも知れない、もしかしたら中に人がいて不審者扱いされるかも知れないとりあえず戸を叩いて人が居るか確認しよう、もし人が居ても住わせてもらおう。
戸を叩いてみた、、、返答が無い、覗いてみよう
すると松で作られた式台がある、取り敢えずと本を置く時に気づいたが式台の上には少し埃が積もっている、足跡も無い、人は居ない様だ、少し安心。足の裏に付いた土を払い上って奥を見ると両開きの扉がある、左には引き違いの襖があり右にも引き違いの襖がある、右の引き違い戸の真左から階段が始まり、奥の扉を避ける様に上を通り過ぎる様に曲っていた。その間も「すみませーん」や「お邪魔しまーす」と言いながら散策する、お邪魔しますと言うと頭の中で『邪魔するんやったら帰ってー』と自称神が言う、とてもウザい。ただでさえ暗いのに埃で滑りそうで、そんな中で他人の声がしたと思い肩を震え上がらせ「ビっ‼︎‼︎クリしたぁ⤴︎‼︎」と、素っ頓狂になる私を爆笑する自称神に雰囲気がぶち壊されキレ気味に流れ作業の様に散策する、右の襖を開ける時にガナリの利いた声で「邪魔ぁ!‼︎」と言いながらスパァァァン‼︎‼︎と大きな音を立て襖が柱に叩き付けられる。そこはキッチンであった、向かいにはキッチン台らしき物とあまり知らないコンロの様な物そしてガラスの出窓がありその外側に縦格子があるのだろう影が写っている、右に目をやると収納と両開きの扉がついた収納場所と食器棚がありその奥にガラス窓がある、キッチンの左奥、出窓のすぐ左には扉がありその手前には小さな土間がある、左には廊下があるようだ、廊下に入ってみれば左手に引き違いの襖があり覗くと囲炉裏に自在鉤のある四畳半の和室だった、その奥は縁側へとつながるであろう障子だった、廊下に戻り向き直して右手に入れる所があり浴室とその奥にトイレがあったが不思議なのが二重扉だったことだ、匂いを抑える為かと思ったが裏山の湧き水を使った水洗トイレのようで、行先は多分川だろう、突き当たりには洗面台があった、先程の廊下の突き当たりの部屋には六畳の部屋で右手に押入れと収納が、正面には収納二つに挟まれた窓が、左には縁側へとつながる先程の廊下から見えた和室にあったものと同じ引き違いの障子がある、この部屋に入った扉側の壁には襖が三枚あった、この戸は先程の和室につながる様だ。縁側に出ると縁側と家の外をガラス張りの戸で仕切られていた、右手側には収納があった、縁側は左に進み突き当たりを右に曲がりその先の突き当たりを左に、、、とZの様な形になっている様に見える、実際に進んでみよう、最初の突き当たりを右に曲がった時の左手側に障子が三枚あり中はただの八畳の和室で左には押入れと玄関につながる襖があり奥には床の間がある右には縁側に出るであろう障子があった、とりあえず縁側を最後まで行こうと縁側を進み左に曲がると突き当たりに見えたのは収納だった、これで一階は散策完了。
二階に行く為に玄関に戻って来た、改めて見てみると日本家屋にありがちな急な階段で上がるのが辛そうだ、上がり始めると少しギシギシ鳴るがしっかりした造りをしている、二階に上がる途中窓がありとても明るい、階段の突き当たりの左側に扉を開け入ると向かいにも窓があり隣には床の間らしき所がある、左手には押入れと収納がある、右手側には襖がある、もし人がいるならこの襖の奥くらいだ、思い切って開けてみよう、この家を散策し始めた時よりも大きな緊張を掻き消すために、大きく恐ろしい穴持たずと呼ばれる熊を、爆竹やライフルの音で驚かせ近寄らない様にするかの如く、祭りに本気になる人々の掛け声の様な大きさの声で「邪魔ぁ‼︎‼︎」と叫びながら行き良いよく襖を開ける。、、、何も居ない、ベランダに出る窓が二つ右手側と奥にあり左手には出窓があるくらいで特にこれといって無い。
「よしっじゃあここに住むか」
後書き
(*1)趣きのある日本家屋の本来の良さを残し.甦らせるリノベーション.sumika.2012-4-2.好きに暮らそうsumika.https://sumika.me/contents/3268(参照 2024-05-09).
上記のものが参考物件です
長生き者と夢の朝焼け @shikonnaru
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