昨日、夢であったんだ

葛城守晴(かつらぎすばる)には、ある秘密があった。
それは、人の夢の中に入ることが出来ること。
彼が夢を渡ることが出来ることを知ったのは、五歳の時。当時病弱だった彼は、夢の中で不思議な人達と出会った。その能力を使って、現在の彼は他人の夢世界の安寧を守っている。

そんな中守晴は、元陸上部のクラスメイト鈴原巧と夢の中で出会う。彼は黒い塊に追いかけられていた。巧は、その黒い塊に食われる夢を、何度も繰り返し見ていたらしい。
初めて面識のある人間の夢に入った守晴は、何とかして彼を助けたいと思い、巧の話を聞くことに。そして、夢から出ると、巧は自分のことを忘れる――はずだった。

「夢の中で、会ったよな?」

こうして、距離を縮めた守晴と巧。
さらに彼は、夢の中で自分が描いたイラストを具現化できる少女・幸時とも出会い、現実世界で声をかけられる。

本来なら夢で出会ったことを忘れる二人と交流を持った守晴。
なぜ二人は覚えているのか。続きが楽しみです!