気品のある上質な王道系ファンタジー

異世界ファンタジーもので、ビルドゥングスロマンの系譜に連なる作品です。
魔術を使えないというハンディキャップを持った少年が育ての親で師匠でもある魔術師から破門された後、ヒロインの少女騎士(神殿従士)と出会い、旅の中で成長して行く物語です。
(どうやら主人公のハンディキャップが師匠の失踪や物語の根幹の謎に関わっているらしい・・)
ラノベというほどは軽くないですが、たいへん読みやすい作品だと思います。商業作品に十分届くだけのクオリティと完成度の高さを持っています。
上橋菜穂子あたりの読者層に受け入れられそうな作品だと感じました。
一般的なラノベによくあるザマァやハーレム、エロといった要素はストイックに切り捨てられていますが、エンターテイメントとしてよく練られた内容を持つ、志の高い作品です。
最新話(110話)まで内容がダレることなく、一気に読ませていただきました。
今後、主人公やヒロインがどのような冒険を行い、成長して行くのか楽しみにしています。
なお、最後に私が感じた欠点を少しだけ指摘させていただくなら、一部の描写や会話が長くてスピード感や躍動感をスポイルしていると感じる部分がありました。
当作品を含んだ、作者の今後の創作活動に期待したいと思います。

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