第5話 小説の価値を決めるのは自分である
高校3年生の時期はあまり書きたくありません。ですが、時系列順、ということで一応書きます。
この頃の私は小説を嫌いになっていた時期でした。なんと言いますか、常に言い訳のように『小説には価値がない。今の時代小説は売れない』などとほざいていたと思います。
色々とストレスが溜まっていたのだと思います。
私は小説を読むのも書くのもやらなくなり、代りにイラストや作曲(ボカロ製作)をするようになりましたが、すぐに才能の無さに気づき辞めました。
ただ、それでも私は今までの小説体験を蔑ろには出来ませんでしたし、心の底では小説以外にやりたいことがないとわかっていたのです。イラストや作曲が続かなかったのも、結局は本当にやりたいことでは無かったからだと今では思っています。
私がそのことを自覚するのは高校を出てからのことでした。
つまり、つい最近になってからです。
突拍子もない事かもしれませんが、私が小説を書く理由は
『小説を書くこと以外に本気でやりたいことがないから』なんです。
そう思って思考してみると、意外と理由はぽんぽん出てきます。
例えば、私は『小説家になった未来』は思い描けるのですが、『作曲家になった未来』や『イラストレーターになった未来』は思い描けませんし、その分野でお金を稼いでいる姿も『小説家』以外では思いつきません。
また、私は小説というものが『人生の縮図』であると考えていて、私が生きる意味は小説を書くことにある、と普通に受け入れている自分がいるのです。
そう、私はすでに小説に人生すべてをかけていいような大きな価値を認めていたのです。
気づいてしまえば簡単なことで、私が小説を嫌いになった理由は、小説の価値を勝手に暴落させていたことにありました。
自分は小説家に成れるのか?成れなかった時のリスクは?成れたとして売れるのか?といった外的要因を気にしていたのです。ですが、本当の幸福を望むのなら、外的要因を軸に好きなことを捉える必要はありません。
内面から発せられる価値観にちゃんと耳を傾ければ、私は小説を書くことを否定する必要など無かったわけです。
今の私の目標は『完璧な小説を書くこと』です。そこに『小説家になる』ことや『売れる』ことは含まれていません。
ただ、『どこをとっても、その描写が、表現が、キャラクターが、構成が、小説を構成するすべての要素が完璧だと言い張れる小説』を私は書きたいのです。
それが私の『本当にやりたいこと』だとハッキリと宣言出来ます。
私は『完璧な小説』を書くための努力をするだけでよく、現状それはとても楽しめています。
また、余談ですが私は小説を書かない時があっても良い、と思っています。矛盾するようですが、『人生で起きる物事すべてが小説のためにある』と思っていても『人生すべてを小説を書くために使うべきではない』とも思っているのです。
世の中には面白いことや楽しいことが多くあります。
小説は娯楽の一部でしかなく、他の楽しいことをしたほうが結果的に心の安定に繋がり小説を書くための精神的土台につながる――という感じです。
なんというか、ムキになって書く必要もない、ということを言いたかったわけです。
拙文だったか思われますが、ここまで読んでくださりありがとうございました。
私が小説を書く理由 一色雅美 @UN77on
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