一読した瞬間、そのすごさに圧倒されました。ああ、こういう物語を書かれてしまった。今夜は筆者であるみかみ様を、心より賞賛する夜と決めました。
非常に完成度の高い純文学だと思います。
純文学とは何か? という問いも生まれそうですが、端的に言えば「意味がわからないものです」。語弊はあると思いますが、実際そういうものだと思います。例えば、道端を歩いていて、ムチで洗濯物を叩いて泣いてる老婆の語る世界観を知ってしまう、そんな得体の知れないものが純文学です。
それは人の持つ根源的な感情が「人と言う化け物」の中を通り抜けた時に、どのように変質してしまうのか、その尋常ならざる美しさを競い合うのが純文学なのです。
さて、本作です。
いきなり得体の知れない世界に僕は引きずり込まれました。「これは……」とかなりのインパクトを持たされた瞬間、さらに「ああ、そう来るのか……」と驚きを隠せず、そこからは完全に物語にどっぷりです。
素晴らしいです。
僕は物語で本来の解釈とは別に、様々な解釈の形を模索出来るものを賞賛します。こちらの物語は、そんな幾通りもの解釈を考えさせられるほど、すごい刺激に溢れていました。こういう物語は中々ありません。しかもそれでいて、とても感動的なのです。
まごう事なき傑作だと思います。
この様な物語を書いて頂き、ありがとうございました、と心より一言添えてレビューを終わらせて頂きます( ;∀;)