第30話

 侍従は少し、顔を赤くする。恥ずかしそうに、顔を扇で半分ほど隠してしまった。

 別にからかうつもりで、言ったんじゃないのに。そんなに、嫌だったのだろうか。

「…姫様、やっとお笑いになりましたわね。でも、あの、わたくし…」

 顔を赤らめつつ、呟いた。何をいおうとしているのか、今ひとつわからない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

千の夜〔完結〕 入江 涼子 @irie05

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

同じコレクションの次の小説