第29話
「……大丈夫よ。侍従だって、長いこと待たされて、疲れたんじゃないの?」
「いいえ、そのようなお気遣いは無用です。待つこともできなくては、女房は務まりませんもの。急なお申し出でしたから、さぞかし姫様の方がお疲れだろうと、心配だったのです」
「そう。侍従も真面目な所は相変わらずね」あたしは、笑いながら、言った。
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