第2話
『ちょっと聞きたいんだけど...これって優華じゃないよね...?』
彼女に連絡をとった。
返事が返ってくるまで間が時が止まったかのような感覚だった。
数分後、優華から返事が返ってきた。
返事を確認した景司の表情から一瞬感情が無くなるような様子があった。
「ど、どうだった...?やっぱり人違いだったか??」
友人の一真が景司を気にかけるように問うと景司は笑顔で答えた。
「別れようだってさ~俺なんかしちゃったかな~」
自分の感情を表に出すまいと彼は必死に笑顔を作って一真とこの後について話をした。
「心配してくれてありがとうな!これかちょっと電話してみるから後は大丈夫だわ!」
そう言って一真と別れ、景司は人通りが少ない大きな川の土手に向かった。
彼女からの内容には"別れよう"だけではなく"私1度好きじゃなくなると復縁できないんだよね。だから連絡もいらないよ。"と書かれていた。
「このまま、卒業してから同棲して、結婚して一緒にくらしていくと思ったんだよな~」
目に涙を溜めながらつぶやいた。
景司は動く気力を失ったかのようにその場に留まり続けた。
太陽が街中に消えていくのを別の世界を見るかのように眺めていた。
すると後ろから景司を呼ぶ声が聞こえた。
「ほらな!全然大丈夫じゃねーじゃねーか!」
そこには、先ほどまで一緒にいた一真が後ろに立っていた。
「お前のことだ絶対表に出さないだろうと思ってたよ!とりあえず飲み行くぞ!」
一真は景司を気にかけ、彼の気持ちが少しでも晴れるようにと気遣ってくれたようだ。
行きつけの居酒屋に足を運び長い時間、景司の気が晴れるまで話を続けた。
お店が閉店の時間になり、景司は最後に真っすぐ一真の目を見て言い放った。
「俺、もう恋愛しないわ。大学生になる前までは恋愛下手で好きな人に告白しても上手くいかず、それ以降告白するのが恐怖になってた中、相思相愛になれた人が浮気だもんな~。それでショックを受けるくらいなら恋愛しない方が気持ちが楽だわ。」
「お前、本当にそれでいいのか?後悔とかないのか?」
「大丈夫よ!俺はこれからの人生一人で生きていくさ!」
そう言って、景司は恋愛に切を付けた。
「そうか!それなら俺は止めないさ!将来何か大きい事して有名になろうや!」
一真は景司の言葉を受けとめ応援するように放った。
そうして、景司はそれ以降女性との関係は浅い関係を保つように大学生活を送るようにしていた。
大学を卒業とともに大学在学時に趣味となった映像制作を仕事にするため大手の映画制作会社に入社することになった。
入社する会社を前にして景司は気合を入れた。
「よし!これから大きい事目指すぞ!」
つづく
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