風俗嬢に恋をした。
村松刹那
第1話
「この世の中は不公平だ...」
景司が口癖で言ってしまうのは他でもない、恋愛が上手くいかないからだ。
「生まれながらカッコいい人は沢山の女性が彼に注目する。生まれながらモテる人はモテる、モテない人はモテないんだ。」
彼はそう口ずさむと仕事に向かう。
そんな景司だが以前までは恋愛に消極的ではなく、積極的であった。
好きになった人の事しか考えられなくなり、他の事が入ってこないほどだ。
だが、大学時代の恋愛が彼の中で恋愛に対する価値観が大きく変えてしまった。
大学時代の景司は、2年時に付き合い始めた彼女がいた。
周りのみんなが認めるほどお似合いのカップルで少し学内で有名になるほどだ。
そんな彼女との付き合って1年が過ぎた頃、ある事件が起こってしまった。
「1年がたつのはあっという間だ」
景司は白い息を吐きながら友人と話していた。
「もう今年も終わりが来るのか。ほんとあっという間だな。」
会話としては他愛もない日常的な会話だった。
(そういえば、優華と付き合ってからもう少しで1年になる...)
友人との会話の中ふと彼女との記念日が近いことを思い出す。
(1年も一緒にいてくれた彼女に何か派手じゃないほどにサプライズをしよう)
景司は友人との会話をそっちのけで彼女との記念日の計画を考えていた。
「おい!俺との会話頭に入ってないだろ!これだから惚気は困る」
友人に呆れられるほど顔に出ていたみたいだ。
「そういうえば、そんな顔をしている最中言うのが心苦しいんだが、先日SNSを見てたらこんなの見つけたんだけどさ、、、言うか悩んだんだけど一応伝えておくわ、、、」
そういうと、友人はゆっくりと一枚の写真を僕に見せてくれた。
僕は何か強い衝撃のものが心臓でもない肺でもない胸のあたりに当たってきた。
その衝撃とともに数秒の間だったはずの時間が1秒も動かず止まった時間の中に入ったかのようだった。
そこに映っていたのは、優華が知らない男とキスをしている写真だった。
『晃と過ごす時間が一番楽しい!これからもずっと一緒にいようね♡』
その投稿内容を確認した僕は、似ている人物だと思わざる負えなった。
「こ、これは優華の似ている人だよ、、、」
しかし、ほくろの位置や骨格が本人と瓜二つであり、似ている人とは思えなかった。
「そうなるよな。ごめんよ。俺も言うか悩んだけど。伝えた方がいいと思ってさ。」
友人は申し訳なさそうな表情で僕に謝ってきた。
友人が決して悪いわけではない。僕は、情報の整理ができず混乱してしまていた。
「一応、心配だし確認をした方がいいと思うぞ...聞けないのであれば俺が聞いてあげるぞ」
友人は僕を心配してくれて声をかけてくれた。
「ありがとう。でもこれは僕が自分で確認するよ。」
景司は、そう言って友人にお礼をし、彼女に連絡を取った。
つづく
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