星空に宿る、後悔と想い

自分が、家族の人生の仕舞いを考える年齢に差し掛かって
さいきん頻繁に、このことが頭をよぎります。

たとえば、
普段使っているおろし金だったり、こたつ掛け布団だったり
珍しく買ってもらった、靴だったり……

身の回りの一つひとつの器物に
記憶と、思い出が宿り
それを手に取った時、
あの時の家族に会える気がする

それを思うと
果たしてそんな物に囲まれて生きてきた私に
人生の仕舞いなどという大事業が本当に成せるのであろうかと
恐怖に慄いてしまうのであります


何気ない……
どこにでもいる仲の良い兄弟

その記憶に宿る
本当に何気ない
それでいてかけがえの無いものであったあの日の思い出は
時間を経た今でさえも
じわり、じわりと
胸に痛みを生ずるものなのだろうと