第4話
「……っ!?はぁっ…はぁ…」滝のような汗を流しながら、少女は深夜に目を覚ました。寝室を見渡した後、腕や足などを触り「……全部…夢…か…。」と、安堵したように笑う。
同時刻、1階のガラス窓の外で妖がほくそ笑む。家に侵入するために、窓を破る。
パリーン。少女の耳にはしっかりと届いた。聞き覚えのある音が鳴り、少女は「え?」と思わず驚きの声をこぼした。続いて、階段を駆け上がる足音が響く。わずかに音を立てて開いた扉からは、トラウマ級に恐ろしい顔がのぞいた。その顔はニヤリと笑い、少女の手首を掴む。
少女はようやく気づく。ここはもう家ではない。そして、この地獄の果てより恐ろしい場所から逃げるなんてことは、叶わないのだと。
廻る @kedama_727
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