ギフト 内緒のピアス
内緒のピアスさんに絶賛ハマり中の私。今回は可不ちゃんが歌う「ギフト」という曲を紹介していきます。英語で「贈り物」とドイツ語で「毒」の2つの意味を持ってる時点でもうなんか、鳥肌ですよね…すごい。
よく自分の恋愛に重ねて聞いています。感情移入しやすい曲ってめっちゃリピートしたくなるんですよね。
『爪に残った悪い癖に憧れてしまったまま歩いてきたんだ
お願いよって縋ったとしても困ってしまうだけのあなただからさ』
「爪に残った悪い癖」とはあんまりなにかわからないのですが、ネイルのことかななんて思ったりしています。ここのフレーズは私の頭では解読できませんでした。
ただ2行目の歌詞からもう大共感。きっと自分が本気で縋って…依存してしまえば相手の迷惑になってしまうんだろうな、と思っちゃう主人公。分かる、めちゃ分かる。
『全て壊してどうせならもう
痛みで刺して何度でもそう
一人になれば楽だったのに』
どうせなら、なにもかも分からなくなるくらい、壊れるくらいこの身に愛情を注いで欲しい。でもそんなことは叶わなくて、勝手に心を痛めてしまう。こんな思いをするなら、ひとりぼっちのままのほうがきっと楽だったと思ってしまう主人公。恋愛って難しいですよね、好きであればあるほど相手に期待して依存しちゃいますから。
『もしも神様がいるなら笑って
導火線を点けて奪っておくれ
ねえどうしてまた泣いているの』
そしてサビ。一気にぱっと弾けるような曲調は、内緒のピアスさんの作る曲の魅力です。
もしも神様がいるとしたら、私に慈悲を与えて欲しい、願いを叶えて欲しい、というもはや神頼みの主人公の思いが伝わってくるようです。焦らさないで、私の全部を奪って欲しいという催促にも似た焦りを「導火線」というフレーズで表しているのでしょうか。ただその願いも主人公は叶わないと知っていて、気づかないふりをしています。気づけば叶わない願いに対する涙が止まらない。なんだか愛が激重の歌詞ですが、私は個人的にとっても好きです。共感できます。
『あなたに包まれてしまって
もうどこにもいけない手を貸しておくれよ
もうどこにもいけない手を貸しておくれよ』
泣いている自分を慰めてくれる彼に、さらに涙が止まらない主人公。「そんなことされたらもう離れられない」状態です。あなたの傍から離れることはできないから、せめて暗い気持ちから立ち上がらせて、という気持ちを「手を貸しておくれよ」で表現しているのでは?もしもそうだとしたら、めっちゃ共感します。
凹んだ時に慰めてくれたりすれば、もう彼の言葉じゃないと立ち直れないくらい依存してしまう。そんな乙女の少し変わった愛情を綺麗に表してくれています。
『胸に残った些細な棘も気づいてしまうようなあなただからさ』
ここの歌詞、私的にめちゃくちゃ共感ポイントです。
きっとこの重すぎる愛には気づいていないはずなのに、私の傷ついた心はお見通し。そんな彼の優しさに依存してしまいそうで、しかしこの思いに気づいて欲しいというもやもやも胸に残る主人公。
『せめて満たしてどうせならもう
壊れるほどに何度でもそう
捨ててくれたら楽だったのに』
気づいているなら、せめて傷を塞いで欲しい。遠慮はいらないから、とにかく彼のありったけの愛情をこの身に受けたい。ただその思いもきっと叶わない、と諦め半分の主人公。どうせなら捨ててくれた方が楽だったな、とも思っています。
『もしも神様がいるなら笑って
僕だけに裁きを下しておくれ
ねえどうしてまた奪っていくの
あなたに包まれてしまって
もうどこにもいけない手を貸しておくれよ』
そして2回目のサビ。ここでは少し歌詞が変わりますが、どちらにせよ私はめちゃこの歌詞好きです。
捨ててくれたほうが、独りのほうが楽だった。そう思ってしまう自分に、重い罪悪感を抱く主人公。彼は悪くなくて、自分の我儘が悪いことは最初から百も承知のようです。幸せを与えてくれる彼に対する罪悪感を、「僕にだけ裁きを下しておくれ」で表現しているのではないでしょうか。自分で自分の首を締めていると知っていて、彼に当たるのは間違っているとちゃんと分かっています。しかし、彼の愛情も段々感じられなくなってきて、不安に思う主人公。「神様に奪われた」というような感じで表しているところがほんとに好きです。
『気怠げな声をそう想って至って
拗ねた僕の表情で笑ってほしいんだ』
少し気だるげな彼の声を毎日思い浮かべ、ずっとずっと恋しく思っている主人公。私が拗ねていても、笑って済ませて欲しい。ここは主人公の独り言のような感じの歌詞ですね。
『耳鳴りが遠く聞こえる
引き金も今は引ける
叶わないならもう死んでもいいかな
また叱って』
嫌われたらどうしよう、まだこんなに好きなのに。そんな気の遠くなるような考え事を「耳鳴り」で表現しているのでは?
貴方の気を引くためなら、拳銃の引き金だって引ける、つまり自殺でもやってやるという意思が感じられます。寂しさが暴走するけれど、口に出して彼に伝えることはできないから、危なっかしい真似をして彼の気を引こうとします。そして彼に叱ってもらうことで、自分が本当に必要とされていると感じたいのでしょう。
しかし半分くらいは、彼の愛をこれ以上貰えないなら、死んでしまってもいいかなといった気持ちも隠れています。
依存しすぎるとこうなりますよね。やっぱり、何に対しても依存って怖いですね。
『もしも神様がいるなら笑って
導火線を点けて奪っておくれ
ねえどうしてまた泣いているんだろう
あなたに包まれてしまって
もうどこにもいけない手を貸しておくれよ
もうどこにもいけない手を貸しておくれよ
お願い』
ラスサビ。「泣いているんだろう」で転調するところが堪りません。
主人公の不安と寂しさが入り混じった不安定な感情を、上手に歌っておられる可不ちゃん神です。もっと愛して欲しい、そんな我儘に心を痛めながら懇願する様子が、「お願い」という一言から伝わってきます。ラストまでほんとに鳥肌が止まらない曲です。ほんとに好きです。
◉まとめ
矛盾するようでどこか切なく、我儘な女の子の気持ちを素敵に飾ってくれている曲です。私はとっても共感できますが、皆さんはどうでしょうか。この考察を見て気になった方は是非聴いてみてください。
では、次の考察でお会いしましょう。
ボカロ曲研究レポート 詠 @mamerock6
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。ボカロ曲研究レポートの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます