ボカロ曲研究レポート
詠
シェイク 内緒のピアス&星界
私は内緒のピアスさんの曲がめちゃめちゃ好きなんですよ。この人が1番メンヘラの愛情というか、くそ重い感情を綺麗に表現してくれてると思うんですよね。というわけで一発目から内緒のピアスさんの「シェイク」考察いきましょう。
『』:歌詞の部分です。
『行方知らぬ温度に 殻を与えるために肌があって
肌に触れる根拠に この痛みがあるんだってさ 』
最初は飾り気の無い淡々としたリズムから曲が始まり、星界ちゃんが歌いだします。どこか寂しさと不安を感じさせるような曲調が好きポイントです。
そして歌詞。私の解釈としては、自分の相手への熱量が逃げていかぬように肌があり、相手の肌に触れられることに胸が締め付けられるほど嬉しいと感じている主人公。ここからもう相手への愛情の強さが伺えます。
『可愛くない笑顔まとって 怖いくらい嘘で諭して
それでやっと本当に 歩き出せる恋だから 』
多分この歌詞は女の子なら割と共感できるんじゃないでしょうか。相手に引かれないように、嫌われないように見た目や性格を飾って、本当の自分じゃなくなってからでしか勝負に出られない。主人公も、相手の子に不釣り合いにならないように、必死に自分を着飾っているんじゃないでしょうか。
『離れないように解けないように 結び目にくちづけて』
私はここの歌詞めっちゃ好きです。「離れたくない」という気持ちだけを歌うのではなく、「一生離れない」という強い愛を『解けないように』で表しているのではないでしょうか?!
『馬鹿になって混ざり合って ほら暴いてみて
冷え切った明日ごと一生の分 』
そしてサビ。「ほら暴いてみて」で一気に爆発する感じが大好きです。星界ちゃんのがなり声っぽい歌い方もほんと大好きです。
馬鹿になるくらい愛を確かめ合って、そして自分の深くまで暴いて欲しい。次の日、相手がそばに居なくても寂しくないほど、からっぽな心を今満たしたいという欲を歌っているんじゃないでしょうか。
『赤くなって痣になってもう
せめてあなたの傷に残りたいなんて
言いたい言えない
スキ、キライ... 大好き 』
赤い痣といえばもうあれしか思いつきませんよね。相手に自分の印を残すことは、主人公にとって「私の所有物」みたいな感じで独占欲を満たす方法の一つ。しかしそれだけではどこか物足りなくって、「せめてあなたの傷に残りたい」と思っています。幸せな記憶よりも、辛くて怖い記憶のほうがよく覚えていると言ったりしますよね。
相手の暗い記憶に残ったほうが自分は薄れにくい。そこまでして相手の記憶に残ることに執着しているのでしょうか。
そして最後のスキとキライが交互に歌われる場面。歌詞からはわかりませんが、実際に回数を数えると、
『スキ、キライ、スキ、キライ、スキ、キライ、スキ、大好き』
となります。ここで鳥肌ポイント。最後「大好き」のところは、このまま進めば「キライ」になっているはずなのに、そこを無理やり「大好き」に変えているところです。初めて聞いたときにめちゃめちゃここの歌詞好きになりました。
『"すべてもう自分次第" そんな人に降らない雨はあって
差せる傘もないまま 歩き出した恋でした 』
すべて自分次第、と思えるほどに恵まれている人には不幸は起きず、しかし自分はそうではなくていつ雨が降るかも分からない。辛いときに差せる傘も無いままのめり込むほど、主人公は相手にぞっこんになっているようですね。
『離れないように解けないように 結び目にくちづけて
騙し合って交わし合って ほら掴んでみて
冷え切った明日ごと一生の分
赤くなって痣になってもう
せめてあなたの傷に残りたいなんて 』
二回目のサビ。ここでは少し前半の歌詞が変わり、「掴んでみて」と相手を誘うような台詞に変わっています。
『一時でも堪らない 二人並び踊りたい 見つめ合ったら止まれない ほら声を重ねて 一時でも堪らない 二人並び踊りたい 見つめ合ったら止まれない 幸せな甘い病ね 』
ここでは最初、星界ちゃんがささやくように歌います。曲調と歌い方から、暗く重い雰囲気がうまく表現されています。
「一時」「二人」「見つめ(三つめ)」「幸せ(四あわせ)」と段々進んでいく数字にも意味があるんでしょうか。ここは思いつきませんでした。
『騙し合って交わし合って ほら掴んでみて
冷え切った明日ごと一生の分
赤くなって痣になってもう
せめてあなたの傷に残して欲しいだけ 』
ラストの盛り上がり直前のこのパート。曲調はほかのところよりも落ち着き、星界ちゃんも先程と同様に優しくささやくように歌っています。
しかし「だけ」の部分で一気に強くなり、ラストの盛り上がりに備えています。
『馬鹿になって混ざり合って ほら暴いてみて
冷え切った明日ごと一生の分
赤くなって痣になってもう
せめてあなたの傷に残りたいなんて
言いたい言えない
スキ、キライ... 大好き』
そしてラストサビ。今までの主人公の気持ちが爆発したように転調します。主人公は好きな人のことを考えれば考えるほどわーっとなっちゃう感じの女の子なんでしょうか。そして最後の「大好き」。ここも歌詞からはわかりませんが、実際に聞いてみると「だぁーいすき」と結構伸びています。主人公の激重な愛情がここにも溢れているようで鳥肌が立ちました。そして「大好き」の「好き」の部分で星界ちゃんの声だけになるところも自分的にはかなり良きです。
◉まとめ
「シェイク」の考察いかがだったでしょうか。考察が得意な方ではないので、うまく意思が汲み取れないところもありますがそこはご勘弁ください。
とにかく内緒のピアスさんの曲は全部良きです。この考察を見て気になった方は聴いてみることを是非おすすめします。
内緒のピアスさんの描く、儚くも鬱くしい愛情劇に心惹かれませんか?
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