あかく誘う

あかく誘う

彼岸の入りには　あかあかと

思い出ばかりを　咲かせましょ

あたしを怖いと思うのかい

そんならあんたはなお怖い

人の想いで咲く花よ

これほど怖いもんもない

なんもかんもが地に還る

いずれはあんたも土の下

思い出だけなら

ほらここに

置いていくなら　咲かせたろ

眠りに引きずりこんでやろ

もういいかい

まあだだよ

もすこし大人になったなら

またおいで　またおいで

あたしはここにいるからね

そん時ゃ　あんたの思い出を

くだしゃんせ　くだしゃんせ

彼岸の花はあかあかと

今年もあんたを待っている