第27話 どんなお話にも最終回は必要?
俺は今回、どこで間違いを犯してしまったのか?自らの分水嶺について、思考していた。
暗殺の件は、元侍従ワザヲキを顔見知りであることを認めた上で、それ以外についての全てを元侍従ワザヲキの仕業として切り捨てた。
ワザヲキも言い逃れ出来ない証拠を前に自供したが、シヲツチの関与については完全否定、或いは黙秘を貫いた。
御子ミノタロに対する
この件では、不義密通を仕出かしたトヨタマこそに罪が有り、自らを被害者であると言い逃れた。
肝心のトヨタマすら、自身が切り捨てられたことを聞いても、一切の黙秘を貫いた。
尋問にミノタロが加わっても、その態度を翻すことは無かった。
押収した品から証拠は見つかった。
しかしこの時代の書簡に、差出人も宛先もない。
この書簡もまた、ワザヲキの仕業であると言い逃れてしまった。
その上で財産の保全と原状回復に関して、商家ワニとしての存続を逆に求めてきた。
場合によっては、宗主国である
私室に戻ると文机に向かって、何が失敗だったのか?俺は頭を抱えていた。
フッと気が付けば、引き出しにしまい込んだ“あの書状”を手に取っていた。
『
(このデートのお誘いに応えることは出来なくなったな……)
それと同時に、俺の生きている意味……生きていて良い理由を、完全に失ってしまった。
この状況下に於いて、俺が伊都国に置かれた
きっと直ぐに暗殺の手が及ぶのは間違いがない。
俺は大きく溜息を吐くと、再び深い深い思考の闇に、溺れて行くのであった。
◆ ◇ ¿FINE? ◇ ◆
あとがき
本作は近く、全面的に改稿予定です。
何をどこまで改稿するかは、未だに迷走しております。
特に第27話はIFの世界線と捉えてください。
そのまま活かすと夢落ち回になってしまいますw
ヲシリが征く【少年期編】 そうじ職人 @souji-syokunin
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