あとがき(ネタバレを含みます)
本作は私、八火照がライトノベルの新人賞用に執筆したものを改稿した作品です。カクヨム用に行間のスペースを空けたりするだけではなく、様々な部分を変えています。例えば元々の原稿に爛楽が舞葉と美容室で鉢合わせする展開はありませんでしたし、エピローグは最初の部分以外全部書き直しました。
新人賞に応募するも落選が続き、何が自分に足りないのかと考えた結果、「私はストーリーはしっかり作り込む一方で魅力的なキャラクター造形が出来ていないのではないか?」と考え、キャラに魅力を持たせた作品を執筆しようと思い立ちました。それが本作『メルメディックの処方箋』の始まりです。
結果、新人賞は別の作品で受賞しました。しかし、キャラを魅力的に描く事を意識し過ぎた結果、私が本作のキャラを好きになり過ぎて「彼女たちが日の目を浴びないなんて可哀想な事だ!」と思うようになってしまいました。
というわけでカクヨムで公開するに至りました。それにあたり、「キャラクターの魅力を伝えるにはビジュアルがあった方が良いよな!」とキャラデザをし、挿絵を描き……我ながらよくやったなと思います。
本作に登場するキャラクターは皆大好きです。
理桜。彼女は過酷な使命を課され、それでも強い覚悟によってそれを果たそうとしました。本作で最も精神的に強いキャラクターは彼女であると言えるでしょう。理桜の事はもっと掘り下げたい気持ちもあります……。
舞葉。作中で性格が悪いと明言される女。でも私は舞葉の事も大好きです。嫌なやつだからああいう結末にしたわけではないです。その事はちゃんと伝えたい。彼女の善性もしっかり描写しているのでそこを汲み取って頂きたいです。彼女の存在は怜にとって掛け替えの無いものでした。
怜。本作のラスボス。私は敵キャラも結構掘り下げて書く傾向にあります。爛楽たちと対立する彼女ですが、彼女には悲惨なバックボーンがあり、彼女なりの正義に従っての行動だという事は分かって頂きたいです。あとめちゃくちゃモテる。それに舞葉が嫉妬するので舞葉の性格の悪さに拍車を掛けている。
ちなみに「舞葉を死に追い遣った」という爛楽の指摘は全くの的外れではありません。怜は〈キャンサー〉を身に宿しており、全力を出すと〈キャンサー〉を殺してしまうなど不都合な状況が生じてしまう懸念があったので力をある程度セーブしていました。しかしその結果として舞葉が死してしまうのは意図しないものでした。その罪悪感によって怜は錯乱状態に陥りました。そして爛楽の指摘に対して強い怒りを覚えました。
結。天真爛漫な彼女ですが大きな苦悩を抱える少女です。辛い状況にあって必死に笑顔を作り続けた彼女ですが、爛楽との出会いが彼女に心からの笑顔を齎しました。思ったより書く事が無いな。本編中でかなり描写したのであんまり付け加える事が無いですね。
そして爛楽。正直に白状しますが彼女は私の好きな要素をこれでもかというほど盛りに盛ったキャラです。そのおかげで爛楽を書くのは本当に楽しかった……。自分の事可愛いと思ってる女の子って可愛いんですよね。まあ事実爛楽は可愛いんですけど「こいつ関わらない方が良さそうだな……」と思わせるオーラを出してしまっているのであまり人が寄り付かない。でも結はそんな事気にせず爛楽の良い所を見れる子というわけです。
ちなみに親と話す時だけ一人称が「私」になります。ミスじゃないです。
最後に本作を読んでくれた読者の方々、本当にありがとうございます。
もし良ければ今後の私の作品もよろしくお願いします。
メルメディックの処方箋 ~世界で一番可愛い爛楽は絶対に人助けなんかしない~ 八火照@第37回ファンタジア大賞 @hachibiteru
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