好きな人を追って日本にやってきたヒロイン。その執念みたいなものはヤンデレっぽくも見えるけど、その根底にあるのは純粋な恋心だと思います。書籍化作家だからか展開も上手く、珍しく最新話を追いたいと思った作品。
どう考えても、森鴎外『舞姫』の翻案に思われるのだが、本家舞姫がそもそも、主人公の愛(仮)が爆発して、エリスが身重になったところをかなぐり捨てて帰国、エリスもこのまま逃してなるものかと日本に突撃してきたというヤバさを思えば、まだ身軽なまま来訪した此方のエリスはまだナチュラルか?『舞姫』なんざ知らなくても問題なく楽しめ……いや楽しいのか?ギリギリと優しさの真綿で締め上げるエリスを堪能できる本作は、今後の展開にも多いに期待できるのです。