第10話 商業都市 The commercial city

異世界・アシャンティ

東の大陸エウレメディアの南部、エータエリア王国、レンバルディア地方、

商業都市メラーノ

コミケ参加者転生より2か月前


メラーノ市は王国一商業が盛んな都市でエータエリア王国近辺の経済圏の中心地。

ここの市長は地方監督官より地位が上は周知の事実で、貴族位の扱いも受けていた。

市長は投票で選ばれるものの、資本力は権力と地位を確実にする唯一の方法だった。


2年前から先代市長のロイース・キャステニェーダ・ドーシオを破ってから、ラフェール・ルーペス・エリアガは市長の座に就いていた。彼はやり手の起業家で投資家だった。


190センチを軽く超す身長、丸い顔でおでこが少し広く、白髪が目立ちはじめた金髪の引退したラグビー選手並みの体をしていた。


市庁舎内でラフェール市長が執務室で書類に目を通していた。


「ペードロオ、アイスコーヒーを持ってきなさい。」


書類から目を離さず、秘書で小間使いのペードロオ・カステーヨに柔らかい口調で命令した。


「かしこまりました、市長殿。」


ペードロオは褐色の肌、黒い髪の毛を持った小男だった。元は教師の資格を取ったが、先代市長に使いだしてから秘書兼小間使いで働くことになった。彼は魔王の侵攻で亡国となったペイルン共和国の両親を持つ、移民2世でエータエリア王国生まれ、国籍を持っていた人物だった。


はい、移民2世だった、完全に過去形。その理由は本物のペードロオ・カステーヨ・テローニスが2週間前にドッペルゲンガー型悪魔にすり替わっていたからだ。


魔王タローウンは残虐非道、冷酷、無慈悲、悪意の塊のようだが、その上、頭がよく回る存在だった。東の大陸及び西の大陸でも複数の工作員を送り込んでいた。


偽ペードロオは1階の食堂に行き、注文をした。


「アイスコーヒー、市長用、大至急に一つください。」


「まいど、市長はん用レイコーね。」


食堂の従業員の男は西の大陸訛りで答えた。

偽ペードロオがこの男が大嫌いだった。西の大陸特有の豪快さと鋭い洞察力を持っていたから。


「にいさん、疲れてるようやな。」


「市長の補佐が大変ですからね。」


「無理せんといてくれへん。」


「無理しませんよ。」


その時、別の男性従業員がアイスコーヒーを持ってきた。

西の大陸訛りの男がそれを受け取り、偽ペードロオに渡した。


「レイコーどうぞ。」


「ありがとうございます。では。」


「またな。」


偽ペードロオは急いで執務室へ向かった。

食堂の従業員の男がずっと目で追っていた。


「あれは人ちゃうで。」


「やはりそう思います?」


もう一人の従業員が質問した。


「せやな。ぱちもんや。」


「流石、シンムラさん。」


「本部に連絡せなあかんな、ラムはん。」


「ゴーレムはそろそろ動くか。」


「せやな。」


シンムラとラムの正体は20年前にアシャンティへ転生した元日本人だった。

彼らが属している組織が悪に走る転生者や転移者を葬る暗殺専門の組織、

その名は【礎(ファウンデーション)石(ストーン)】だった。


シンムラという名は剣客、剣闘士、剣士や侍が登場する不人気なバトルゲーム、【ソード・ソウル】からきてた。アンデットのデュラハンの騎士で正義の味方のキャラクターだった。彼の本名は野村権助で2014年4月、41歳の時、その不人気ゲームをゲームセンターで対戦中に心臓発作で亡くなった。


ラムという名は不人気漫画家フジキ・スズオのデビュー作の漫画、【暴飲暴食の極み】の主人公のスライムからきていた。その姿あくまでも擬態で本来の姿は緑色の捕食スライムだった。本名は田森義道で2009年7月、31歳の時、コミケに参加するため書いていた同作の同人誌作成中で休憩を取り、コンビニに買い物へ出かけたところ、ブレーキとアクセルを踏み間違えた老人の暴走するプリウスにひき殺された。


彼らは同時期にこのアシャンティへ転生した。彼らの組織は魔王軍に対抗し、悪の転生者と転移者以外、魔王軍の工作員も葬っていた。



エータエリア王国、レンバルディア地方、商業都市メラーノまで2日の距離

リニャーノン市内の宿”黄金のオリーブ園”玄関前、ローメア市を出発して9日後

朝方8時頃


「ウエリー・コンドーレ護衛官は消えた?」


サチコはインデーラ・ウエルカスを聞いた。


「はい、救世主様、朝方になって、現れなかったので他の護衛官たちが部屋を訪れたら、荷物も残さず、消えました。」


「そうか、アーミンさん、あなたは彼と親しかったようだが、何か知っている?」


「わかりません、救世主様、わたしもショックです。」


アーミンは俯いて、悲しそうに答えた。


「スパイだったか、怖くなって逃げたか、わからねえぜ。」


「ぼくたちを監視していた魔王のスパイだったのかもね。」


「俺たちの動きを監視していたら、大した情報持ち帰られてないはずだ。」


「確かに、このタイミングで?気になる。」


ハニー子が考えながらつぶやいた。


「警戒態勢を引き上げるわ、いいね、皆。」


サチコが提案した。全員は頷き、承知した。


「インデーラ公女の護衛が手薄になったので、ターカノン、マルージャモ、お前らが彼女を守れ。」


ライカン・ノリヒト隊長が命令した。


「アイアイサー!!」


アーミン・マルージャモとフランシェースコス・ターカノンは同時に返答した。






 


次回:偽者たち

日本語未修正




























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コスプレイヤーズ転生 Cosplayers Rebirth マックス一郎 @maxichirojp715

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