第10話






│魔力、これも結局正体が分かってないんだっけ?

│ていうかダンジョンがこの世に生まれてからの法則が全て判明してないハズ

│謎、謎、謎。謎しかなーい


「世界の法則が違うのに解明出来るわけないんだよねぇ」


│法則?


「そのまんま、魔力はルールが違うから。物理法則じゃないルールで動いてる」


│マ?

│物理法則に従って無いのかよ

│その割には重力とかには従ってない?

│生み出した岩とかね


「そこら辺はダンジョンの妙だよね。言ったじゃん、チューニングしてるって」


│?

│どういうこと


「別に僕達人間だけがチューニングされてる訳じゃない、魔力もこっちの世界に来る過程で物理法則と魔力の法則……魔力法則と呼称するけど、その二つの間の子みたいな感じで良いとこ取りされてるわけ」


│え、そうなん?

│俺らだけじゃないんか

│てことはモンスター達もチューニングされてんの?


「されてるよ。彼らは本来なら別世界の法則で動いてるのに、一律的に物理法則の一定部分まで適応されてる」


│へぇ

│んじゃスキルはなんなの?

│魔力とは違うんか?


「スキルはねぇ……この僕達の世界独自の力ってやつ?元々スキル制の世界だからさ」


│え?

│地球はファンタジーだった?


「元からそうだよ、神話の話あるじゃない?あれ一部本物だからね、神と呼ばれた人が居ただけ」


│ちょ待って

│宗教家発狂するやつー!

│具体的にはどれとかってありますか……?


「筆頭で言うなら日本神話、ギリシャ神話、アステカ神話、クトゥルフ神話、ゾロアスター神話辺り?インド神話は……あれ宇宙人の話だしなぁ」


│一神教発狂不可避

│聖書どうなんすか


「聖書?嘘とは言えないけど別に神一柱しかいないわけじゃないし……そもそも天使と悪魔って生物自体居ないわけじゃないけど地球原産じゃないし……」


│こりゃ大変なことになってきてるな

│あ、トレンド入りした

│うっわ、信者共が発狂してる……


「地上は地上で大変だねぇ……僕は何もしないからね、文句言いたいなら異層まで来て僕の所まで来てね」


│最強のカウンター持ちでワロタ

│無理なんよ、日本最強パーティですら死にかけて辿り着いてんのに……

│文句言う余裕ないし、日本以外でこんなアホなことできんぞ


「話ズレたけど魔力とスキルね」


│おい

│そこから話題修正マジ?

│鬼畜でワロタ

│確かにこの人にとってはダンジョン外のことなんて知らんだろうし……


「魔力は別の世界の力であり、物理法則と魔力法則の双方で稼働する力。作用反作用とかそういった法則そのものが魔力、元々は精神生命体が生きる世界で使われてた力だから意思を注ぐことで動かせる」


│精神生命体

│謎の生物……

│ゴースト系かな?

│それじゃ死んでるでしょ

│違うのかな


「スキルはこの世界独自の力であり、全生命体が所有している。そしてダンジョンへ潜ることでより深く活性化させることが出来る、元々できることをより細かく、深く、力強く動かせる。イメージとしては人力で動かしてた車をエンジン積んで簡単に動かせるようになった感じかな」


│ちなみに烏間さんはなんかスキル持ってるの?参考にしたい

│人力車だったのが自動車になる感じ……出力の差がデカイな

│0.2馬力が50~300馬力になる、デカすぎる


「僕?僕の場合特殊だから参考にはならないよ?一応ゲーム的な感じで描写するとこんな感じになる」


 空中投影していた魔法陣の情報を書き換えて表示する情報を変える。


 習得スキル

『怪力』『環境支配』『悪食』『頑健』『世界守護』『不老』『天界再現』『魔界再現』『世界旅行』


 生体スキル

『竜体顕現』『身体復元』『竜血』『毒炎解明』『生命生誕』『無限成長』『世界樹』『川・湖・海・星海』


 スki鶹

[『奇々怪々』うふあははは『霊視』にゃー『霊感』カァー『交霊』『百鬼夜行』みてるね『魔眼』『   の王』『餓者髑髏』からからから『鑑賞』『神wa体現』]



「……おや?」


│多いな!?

│普通三個四個じゃないんすか

│しかもなんか全部仰々しいなおい

│最後バグってね?

│竜に関係するスキル多いね

│最後なに?

│ホラー展開やめてくんね

│みちゃったね

│空白からの『王』って何さ

│おうはおうだよ

│奇々怪々って

│世界樹とか何をどうなったらスキルになるんだよ

│おとうさんだから

│おかあさんだから

│だからきなんだよ│きなんだ│いずれぼく│わたしたちは│

│怖い怖い!?

│なんかアカウントないのにコメントだけあるんだけど!?


「はいストップ。あっちから来ちゃったのかな?」


 柏手ひとつ。それでおかしくなり始めたコメント欄を止める。


│……

│止まった?

│今の何……?幽霊?


「異層のひとつの住人たちだよ、どうやら僕らの世界にもやってきてたみたいだ……とりあえず一区切りついたし今回の配信は終わりかな?」


│異層ってまじなんだよ

│幽霊がいる世界……

│言うて俺らの世界にもいるってこの前判明しちゃったんだよなぁ

│もう終わりか

│情報量多くて疲れた

│しばらく配信見たくねぇや

│分かる、誰か一緒に探索行かね?

│体動かして〜



「じゃあみんなもお疲れのようだし、終わろうか」



「また次回、君達が強くなって僕の元へ来れますように……ばいびー!」


│行けるか!

│無理言ってんじゃねぇよ!

│あと何十年かかるか……

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ダンジョン暮らしの元一般人 逃げ足の早い(速い)金属粘性生命体 @Metalslime1113

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