掌編として完璧の出来。喩え言葉を用いたり、韻を踏んだり、と普段時の作者が主戦場とするトドノベルとは異なり、より文学的表現に対する果敢なアプローチが見られる。また表現を兼ねながらもキレのある序破急が嬉しい。物語の面白味は情報をどの順番に並べるかという構成の妙に多くを委託されると思う私だが、絞られた文字数の中でその妙を活かしきってるのが巧みだし、川というモチーフの上で死と生がある意味 円環する構図の配置もよく出来てるように感じられた。
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