第2話 書きたいこと
紙の本もカクヨムの小説も短歌も読んでいます。
連載が終わってからすでに六日も小説を書いていません。
書きたいと思う題材は頭や胸に浮かぶのだけれど、それが形になるまでには時間がかかりそうです。
先日めでたく「さいかわ葉月賞特選・スミヲ賞」を受賞しました。これからは受賞作『赤い烏』を越える作品を書かなければなりません。
私は背水の陣を敷いてこそ力を発揮すると、高校の恩師に言われたことを思い出します。
しかし、やみくもにじたばたしても得るものがないので、一つ一つノートにプロットを書くしかありません。頭や胸に浮かぶものを一つ一つよく見て、それが小説の題材になるかどうかを確認しなければなりません。なにせいまだ言葉で表現されていないものたちばかりですから、前後の脈絡がないのです。
また、今回反省したことがあります。
長編小説のサイドストーリーを書くのは難しいということです。
あくまでも読者が「その長編小説を読んでいる」前提で書くものなので、よほど配慮して書かないと「読んでいない」読者にはわかりにくく不親切きわまりない代物になるからです。
そう、「誰に向けて書くか」が重要であることを学んだのが、さいかわ葉月賞でした。これからも意識したいところです。
そして私が書きたいのは「人」であることにも気づきました。これは大きな発見でした。『赤い烏』は陸遜に話しかけながら書いた作品です。書いたあとは頭の中で陸遜とグータッチしました。スミヲ賞を受賞したと知った時にも頭の中でハイタッチしました。
私の作品では憤りや口惜しさ(犀川様の講評より引用)をあらわにする彼が印象づけられたかと思いますが、本来陸遜は我慢と忍耐と責任感でできている人です。彼の名誉のためにつけ加えます。
私は、どんなジャンルの小説も、「内容が理解できなくてもとりあえず最後まで読む」たちです。
けれど、私のような読者ばかりではありません。自分が興味のないジャンルの小説には見向きもしない読者が大多数だという印象を私はもっています。
そういう読者にいかに三国志ものを読んでもらえるか、一時期私は必死で考えていました。当時活動していた小説投稿サイトで、流行のネタバレ必至の長いタイトルをつけてみたりしたのです。そうすると確かに閲覧数は増えました。ただ単に流し読みされたのか、誠実な姿勢で読んでいただけたのかはわかりませんが。
歴史作家はひとりぼっちなのかもしれません。作品を手にとってもらうための秘訣もありません。その時代や人物、分野に興味のない読者は見向きもしないからです。
そのような中で私がさいかわ葉月賞に三国志もので応募したのはなぜか。
私が最も勝負できるものがそれしかなかったからです。
このあと書きたいのは、孫呉の武将たちです。誰と誰について書こうかしらん。また、気軽に読める現代もののギャグマンガみたいな小説も書いてみたいです。先ごろ連載を終えた日野さんと余田さんについてもまだ書けそうかなあ。
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