第36話:レブレス。
「雑魚は所詮雑魚・・・」
健斗の家のまわりをうろうろしていたヤツラの大半はある人物の手によって
一掃された。
ある人物と言うのはベンジャミンが言っていたレブレスというヤツ。
レブレスは普段は地下に住んでいる悪魔みたいなやつで向こうの世界では
身体中、業火で煮えたぎっている。
人間界に来て誰かに憑依してるのだ。
レブレスは神と暗闇の神との戦いの時、悪に加担して「なんとかの谷のなんとか」に
出てくる巨神兵みたいに炎を武器に世界を焼き尽くした恐ろしい中級神格。
「雑魚は消えろ・・・うっとおしい」
「あの女は俺のモノだ・・・」
普通はこのくらいのレベルの男なら賞金稼ぎなどセコいことはやらないんだが
このご時世、暇だしなにかと金が入り用なんだろう。
それぞれ諸事情と言うものがあるらしい。
健斗とパンは逃げるまえに腹ごしらえとカップ麺を急いで食っていた。
ベンジャミンはカップ麺の美味さに我を忘れていた。
セックスする気にならないと言った健斗・・・ラーメンを食ってる余裕は
あるんだ。
「こんな美味いモノが人間界に存在したとは・・・」
「ね、美味しいでしょ・・・私大好物」
「ん〜これは美味だら・・・もう死んれもいい・・・」
ベンジャミンは大げさなヤツだと健斗は思った。
だがそんな悠長なことは、してられないんだ。
レブレスとやらがそこまで来ているんだから・・・。
健斗はドアに鍵をかけていたが、そんなものは屁のツッパリにもならかなった。
レブレスは、普通にドアの鍵を壊して入ってきた。
「邪魔するぞ・・・」
「レ・レブレス様・・・」
「おおベンジャミン、久しぶりだな・・・よく私だと分かったな・・・」
「悪臭と焦げた臭いがプンプン漂ってまふからね」
「悪臭とはな・・・ドロ沼の精霊のお前に言われたくないわ・・・」
「分かってるようだから自己紹介の必要はなさそうだな」
入ってきた男は、ピンと尖った口ひげなんか生やして髪をスケベ分けして、
キザったらしい成り上がりセレブみたいだった。
「さてお嬢さんをいただいて行こうかね」
「パンは渡さないぞ」
と健斗。
「ね〜ね、レブレス・・・おじさんも食べていったら?カップ麺」
「めちゃ、美味しいですから」
「食べたら、おちんちんピンビンですよ」
「なに?まじでか?」
「パンはこんな危機になに、のんびりしたこと言ってるんだよ」
「食はみんなに平等に平和をもたらすアイテムですよ・・・」
「レブレスさん・・・さあ、どうぞカップ麺」
「入ってきたとき、なんかいい匂いがしてるなと思ったんだ・・・」
「朝から何も食ってないしな、お嬢ちゃんをサラうのはそのカップなんちゃらを
食ってからでも遅くないか・・・時間はたっぷりあるしな・・・」
「だが、うまいこと言って毒なんか入ってないだろうな?」
「もっとも、そんなモノは俺には通用せんがな・・・」
「そんな卑怯な真似はしませんよ」
パンに勧められるままカップ麺を食べたレブレスはベンジャミン同様その
美味しさに我を忘れそうになった」
「なんじゃらほい、この美味ものは・・・」
「こんなものは我々の世界にはないぞ・・・」
「ん〜この美味さはたしかに世界を救うな・・・」
パンやベンジャミンそしてレブレスの世界のヤツラの味覚は人間のとは違う
みたいだ。
レブレスはカップ麺を美味い美味いと全部平らげてしまって、
「こいつはもうないのか?」」
「欲しいんなら、いっぱい買い置きがあるけど」
健斗はそう言ってカップ麺を両手いっぱい抱えて台所から戻ってきた。
「レブレスは横にいたパンに目もくれず3分持ちきれずまた美味い、美味いと
カップ麺を食ってしまった」
「これはひょっとしてチャンスれすかも・・・」
ベンジャミンは健斗に耳打ちした。
そう言ったかと思うとベンジャミンは持っていた杖で男の頭を後ろから
思い切り殴った。
不意をつかれたレブレスは、たちまち気絶した。
つづく。
憂鬱はゴミ箱からやって来る。〜誘惑だらけのニンフちゃん〜 猫野 尻尾 @amanotenshi
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