第3話 迎撃戦闘
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《Fox2! Fox2!》
《背後を取った!逃がすかよ!》
《スプラッシュワン!》
《前ばかりに気を取られるな!》
迎撃戦闘を開始して数分、数の上で劣勢ではあったが、地上部隊との連携もあって敵機を食い止める事が出来ていた。
オルカ1《全機集合しろ!5、遅れるなよ!AWACS、周辺の敵機の情報をくれ!それと他の隊の状況は?》
A《…今のところ、そっちの空域はクリアだ。別の空域は… …それぞれ戦闘を継続している。》
なんとか捌ききった。他の空域も戦闘を進めているらしい。
A《ちょっと待ってくれ…オルカ隊、スワンロードから増援の航空隊が来る、もうじき到着するそうだ。そっちにはボニート隊を向かわせる。合流まで警戒しつつ、待機してくれ。》
1《了解した。合流まで待機する。》
ほんの少し、安心したようなAWACSの声と、緊張を保ちつつ安堵を含んだ隊長の声を聞き流しながら計器を確認する。
燃料弾薬にまだ余裕がある。とは言え精神や体力の消耗は激しい。連戦にならなくてよかったという思いと、援軍が来てくれると言う知らせに、知らず息を吐く。
…先ほどの空戦では、被害なく切り抜けられたが、これからの戦闘ではそうはいかないだろう。
1《よし!お前ら!初戦で墜ちるヘマしなかった事を誉めてやる。ボニートの連中が来るまで遊覧飛行だ!ただし!目を皿にして周りを見ておけ!》
そんな胸中を見透かしたように、隊長が激を飛ばした。
1《各機、燃料弾薬はどのくらい残っている?》
《3、観光するには十分です。》
《5、花火大会が開けますよ。》
《2、どちらも十分に残っています。》
《6、弾薬はあるが燃料が心もとない。》
《4、歓迎の花火なら多すぎるくらいに。》
隊長の問いに口々に答える。みな疲労の色はあるが、士気は高い。
A《AWACSよりドルフィン!そちらに向かう敵の増援を確認した!対処してくれ。一番近いボニートをそっちに回す!》
状況は芳しくなさそうだ。ただ連携に定評のあるドルフィンなら切り抜けられるだろう。増援を得たとなれば尚更だ。
A《すまないオルカ隊、そっちにはソードフィシュを向かわせる。空域に到着しだい合流してくれ。》
1《オルカ1了解した。燃料の少ない機を戻し、警戒を続ける。》
1《5!6を基地までエスコートして補給だ!残りで空域を周回する。3は4と、2は1とエレメントを組め!隊列を乱すなよ!》
《了解!》《ラジャー》《アイサー》《》
今は、自分たちの心配をすべきだろう。
5《おい4、俺の分 残しとけよ!》
4《お前が戻って来る頃には残っちゃいねぇよ!》
5《…気を付けろよ。4。》
4《余計なお世話だ。…さっさと行け。》
オルカ5と6が編隊を離れる。それを合図にしたように、残った機が二手に別れる。
基地に戻る機影を、しばらくは目で追っていたが前を向き操縦桿を握り直す。
仲間とのやり取りに、マスク越しの口元に少しだけ笑みが浮かんだ。
ACE CHOOSES -捥ぎ取られた翼- 瑠璃色の石榴 @Zakuro_8732
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