第11話 END

 それは唐突に起こった。肉体が端から順に光の粒となり、崩壊し始めた。

 ついでとばかりに魂のようなものが消えて心が段々と薄くなっていくのが分かる。


 これは死なのだろうか?転生してから前世の記憶もはっきりせず、精神も本来のものとは異なる感じがしていたが…多分だが、転生に魂が耐えられなくなってきていたのだろう。


 だから、前世の記憶も曖昧だったのかな。


 虚しさだけが心を支配するなか、魂が消滅したらどうなるのかと少し思う。自分を転生させた神という存在がいるなら、何故自分を転生させていたのか聞いてみたいな。


 まぁ、それもこの様子だと無理だろう。


 魂が消えていく感覚というのは中々に新鮮で恐ろしい。殆ど希薄だった自分の意思が更に薄くなっていき、報酬で得た前世の記憶ももう分からなくなってきている。


 イメージするとしたら、泡が大量に体から出ている感覚。段々と無に近づいて、諦めが強くなってくる。


 はぁ、前世の自分はどんな感じだったのだろうか?幸せに生きて寿命で死を迎えたのだろうか?

 それだけが少し心残りだな。


 さて、魂も肉体も残り少ないな。


 無、無、無…。ああ、自分は…俺は…。





 …もっと長生きしたかっ、た…なぁ。




 …END




「ふむ、転生に魂が耐えられなかったのか。もっと長く転生して強くなってくれると思っていたのに…神も全知全能ではないってことが証明されちゃったね。まぁ、今更だけど」


 白い空間から魂が消滅しているのを覗いていた神は1人、溜め息を吐く。


「うーん…どうしよっか。彼が僕を殺して、代わりに神になって欲しかったのになぁー。やっぱ、長く生き過ぎるのも辛いんだよね。だからといって自殺出来ないようになってるから誰かしらに殺して貰わないといけない」


 神は自殺しようとして失敗した記憶を思い出して苦い顔をする。すぐに表情を無に変え新しく思考を始める。


「彼には申し訳ないことをしてしまったな。結局は数度の転生如きに耐えられなかった彼に無駄な期待をかけてしまった訳だし…ん、良いことを思いついた!」


 神はそう言うと神の力を行使して、何かを集めると一つにまとめる。


「あんまりしちゃいけないことだけど、時間を少し巻き戻して砕けていく魂の欠片を収集、混捏してっと…よし!できたっ!」


 神の手の上には少し小さめな魂がフヨフヨと漂っている。


「普通の魂よりも小さくなっちゃった。まぁ彼の残滓を集めて作ったから仕方ないかな。彼の記憶や意識はもうここには無いけど、とりあえず輪廻の輪には戻せるし、大丈夫!」


 神は反対の手元に輝かしい輪を出現させると小さめな魂を神の力で保護して挿入する。


「僕が彼の運命律を弄ったから、色々と酷い人生になっちゃったけどもう、次の人生からは大丈夫。元に戻しておいたし、普通に生きられるよ…ごめんね」


 心にない言葉を吐きながら、神はを向く。


「君は…いや、君達はずっと僕達を見てたよね?不思議だね。今更ながら気づいて、僕は不甲斐ないばかりだよ。僕達の次元よりも上の次元から見られてたら仕方ないかな?こんなんでも一応、だから自信無くしちゃうよ〜」


 神はガックリと肩を落として、深い溜め息を吐いている。その表情は…虚無だ。


「この物語は終わりなようだね?作者の頭を見させて貰ったけど…へぇ〜、なるほどって感じだよ?新しく物語を紡ぎたいからこの物語を終わらせて時間をさきたいんだって」


 ふむふむと頷きながら神は先の未来を見る力を行使する。そして、ニヤリと口角を上げてをもう一度見る。


「全く、この作者あって僕ありだね?物語を紡ぎたいのなら、思いつきで始めるのじゃなくて確りとしたプロット…下地を作ってからその通りに進めていかないと矛盾が生じて、読者が離れて、途中で辞めたくなるんだよ?ふふふ…作者はどうしようもなく、阿呆なんだね?彼と同じだぁ〜…イテッ!」


 神に対して罰が降ったのか、神の頭上より鈍く輝くタライが落ちてきた。


「ごめん、ごめん…にしても神お手製の障壁を貫通して痛みを与えてくるなんて不思議だなぁ…ぁあ、もう時間かぁ〜!」


 神はこちらに向けて手を振る。


「バイバイ〜!作者の次回作に乞うご期待!僕をもう一度出してくれたら嬉しいけど、どうなるか分からないから君達もよろしくねー」





 今までありがとうございました。

このような感じでこの物語を終わらせてしまって申し訳ない(´-ω-`)


 作者も頑張ったんだけど、すぐに転生させちゃうから物語が定着させにくくて…。


 今度の物語は確りと一本でやってこうと思ってるから許して欲しいな。


 因みに次回作について考えてるのは…宝くじのCM見てて思いついたんだ!

 内容としては、宝くじを買った主人公君が一等賞のお金を受け取るか特賞のシステムを受け取るかでシステムの方を受け取ったって感じで物語を紡ごうかなって思ってるんだ。


 気になったらぜひ読んで欲しいなぁ…まぁ正直言って12月中に出せるか分からないのだけども…いや、だってそろそろ吾輩ってば就職を目処に色々していかないといけない時期な感じで大変忙しーのだわさ。


 まぁちょくちょく頑張って書いてみるから少しだけ期待してて欲しいなぁなんちゃって

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

阿呆道〜俺は転生を繰り返して強くなる〜 忙人で苦労人w @373w

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ