第9話 嘘と恐喝

「ねぇー。肩揉んでー」


「...はい」


 迂闊にも彼女を部屋にあげてしまったのだが...。

まぁ、あのままだと何してたか分からないから、こうなるのも致し方ないのだが...。


 ベッドに寝転んで人の漫画を読み漁りながら、俺の楽しみにとっておいたクッキーをバリバリと食べる...。


 これがあの鈴野さんの従姉妹?全く似ていないのだが。


「ねぇー、もっとつよくー」


「は、はい」と、言われるがまま彼女の肩を揉む。


「うちって結構巨乳だから肩凝るんよねー。どう?おっぱい揉むきになった?」と、胸を持ち上げながら聞いてくる。


「な、なりませんよ...。あの...まじで帰ってくれませんか?」


「マジで帰らない。ねー、なんか面白いことして?笑ったら帰るわ」と、パタンと漫画を閉じてそんな質問をしてくる。


「...面白いことって言われても...。じゃあ...一発ギャグを」


「おっ、ノリいいねー。はい、どうぞ」


 フラれたのでそのまま布団をマントのように纏い、「インキャ吸血鬼」と言ってみる。


「...0点。つまんない。うちが王様なら処刑してるわ」


「...めちゃくちゃいうなぁ、おい」と、小さくつっこむ。


「てか、マジで悪いけどあんたのいいとことか一個も見つからないんだけど?元カレさんは相当スペック高かったからいいけど、やっぱあんたはダメ。さっさと、鈴野姉ちゃんから手を引いて、もう一人の女の子と付き合ってくんない?」と、言われる。


「...いや、それは...」


「これならどう?」


 すると、制服のボタンを外して、誘ってくる。


【挿絵】

https://kakuyomu.jp/users/tanakamatao01/news/16818093085212937688


「い、いや!そんなことしてもダメだから!最初は好きな女の子としたいから!!//」と、顔を背けながらそう叫ぶ。


「まーじどうてい反応ウケるwまぁ、無駄にガードが硬いことはわかった。ヤリモクで近づいてるわけでもないみたいだし、まぁ、許してやるか。てことで、今日は帰るわー。また明日から学校でよろー」と、手を振りながら帰っていくのだった。


 なんなんだよ、とまるで嵐のようにやってきた彼女なため息をつきながら、部屋の片付けを行うのだった。


『え?あの子が来ていたの?というか、同じ高校だったんだ』と、鈴野さんから返信をもらう。


 どうやら従姉妹というのは本当のようだ。


 鈴野さんからは色々と謝られたのだが、本人は辞める気がないし、多分あしたからも絡んでくるんだよなー...。


 その予想は的中するのだった。



 ◇翌日


 いつも通り学校に行き、教室に入り、席に座る。


 それから数分後に他クラスであるはずの四季咲さんが入ってくる。


「ねー、昨日、階段の掃除を担当して人たちって誰?」と、クラスメイトに問いかける。


 や、やめてくれ!余計なことをするのは!


 すると、昨日の陽キャたちが目を逸らす。


 そして俺を指差しながら、「昨日こいつが一人で掃除してたんだけど。ねぇ、誰が私の彼氏にそんなことをさせたの?」と、めちゃくちゃなことを言い始める。


「あ、えっと...昨日は俺たちが掃除当番で...ちょっと用事があったから掃除をお願いしたんだけども...」


「はぁ?お前舐めてんの?お前のその用事ってカラオケだろ?昨日聞こえてたんだよ、てめーの声がよ。それにこれが初めてじゃねーんだろ?言い訳せずにごめんなさいも言えねーのか?...マジで殺すぞ」と、マジトーンでそんなことを言い始める。


 すっかり怯えた陽キャ達は俺に頭を下げ、もう2度と掃除を押し付けないというか、今後はもう掃除に参加しなくて良いと言い始めるのであった。


「...んじゃ、そういうことだから。他の奴らもあいつに手を出したら殺すから」と言って教室を出ていくのであった。

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兄の元カノと弟の元カノから迫られています 田中又雄 @tanakamatao01

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