桜隠しに君想う

桜隠しに君想う

　ユキちゃんが亡くなってから3年、再び桜の季節がやってきた。

「今日、冷えるね」

「そうだね。……あ、雪だ」

　少し曇った窓の外に、はらはらと降る雪が見える。

　……ユキちゃん、虹の橋で元気にしてるかな。

　あの後、僕はしばらく泣けなかった。

　数日経ち、鳥籠がリビングからなくなって初めてユキちゃんがいないことを実感する。そうしたら、自然と涙が出てきた。

　泣いて泣いて泣いて、涙が枯れるまで泣いたら、少しだけ前を向けた。

　今でも思い出すと泣いてしまう時もあるけど、それでも僕は進んでいる。

　パワーや笑顔をたくさんくれたユキちゃんに恥じないように。