理想郷と憧憬,花人

祭煙禍 薬

黒種草と馬酔木

 人は会話をしないと狂ってしまう。

 つまり人と殆ど会話しない私は、先の時代であったならば、精神崩壊一直線だ。

 幸いなことに現代を生きる私は精神崩壊を起こしていない。少しヒステリックとメンヘラを起こすだけ、そして少し頭がおかしいだけで済んでいる。

 現代は昔に比べ、会話の摂取がかなり楽になった、

 それはなぜか?様々な会話の”冷凍食品”が提供されるからだ。

 ”SNS”という名の臆病物に優しく、外見で判断されない世界。安易な招待状に匿名の仮面、人と関わるハードルは劇的に下がった。

 ソシャゲ、掲示板、スパチャ。

 ハードルが高いなら転生の舞台になりがちなRPG,恋愛,ソロプレイゲームゲームを。

 人の話を聞きたいのならゲーム実況、小説、ブログを。需要に応えた実に多様な冷凍食品たちは実により取り見取りで好みの味はいくらでもある。

 美味しい物も珍味も、ゲテモノも。

 相変わらず日常現実に│は無いが

 お陰で│食事会話が苦手な私でも生きていける。

 壊れずにいられる。


 そういえば前,ギルメンとこんな会話した。

 |かくかくしかじかの副作用はあるけど,お主もどう一休みにいいよ

 人間関係どーこー言ってなかった|

 |リアルの話を持ってこないでくれ,でもいいかも副作用って?|

 |ん?普通の冷食と同じ此れだけで長い間生活すると。精神が衰弱する。|

 |えぇ?|

 |いや,大丈夫だよだって~…|

 その後なんと言ったか忘れてしまった。

 気っと他愛のない事だろう。


 今日も食べる冷凍食品は毎日違う味のはずなのに、食べ飽きたような、味がしないような気がした。

 作業となった食事を終わらせて思う憧れ。

 普通の食事が食べられればな……。

 まぁ不可能を願っても意味が無いな。

「ごちそうさまでした」

 あぁ、今日も、半死で活きていくよ。


 眠くなってきた…Zz

 途端,頭に鈍い痛みが走った。冷凍食品漬けの罰か。

 世の中やはり健康に過ごさなくてはやはりいけないらしい厳しいなものだ。


 *****


 宿屋のベットでずっと眠っている花人。

 これで9時間か。

「時間だ,起きろ。」

「Zz…ん-文どしよ。」

 頭をさするも反応は無い。

 仕方なくほっぺをつねる。

 すると、彼女は顔をゆがめた何処か苦しそうだ。

「チッこれで起きなかったらビンタか。」

「ふぁあ~?…!」

 俺の顔に怯えるようにビクビクしながら

 目覚めた彼女は言った。

「あぁいいとこだったのに。つねらないでよ…」

「で、どんな夢だった?」

「えーっとね今回はなんかすごい発展してる世界だったよ。」


 そう言って俺は彼女が語る夢の内容を記録する。彼女によると夢の住民は光る板の世界に囚われている。

 光る板の世界は匿名性から皆が本性を見せるため光と闇の差が激しく混沌としている。

 他にも,、事を肩代わり,楽にしてくれる道具があり料理が美味しいとか。 花人は居なかったそうなのでどこかの異世界の未来を見たのだろう。

 皮肉な世界だ。

「異世界か珍しいな」

「ほんとにこれで大丈夫?」

 語りは朧気だったものの要点を抑えている。

 十分だ。

「ああ寝言も記録してるからそれで補完する。」

「じゃあダイジョブか。」

「いいネタだな」

「だよね〜また小説にして儲かる?物語を語るのもいいよね。どうする?」

「ああ任せろ,小説も台本もどっちも書いてやる。」

 そうして俺は筆を走らせる。

「私が寝てる間ずっと起きていたでしょ,寝たら?」

「…っん大丈夫だ。」

「いいから寝て。」

 渋々ながらベットに横たわる。

──また悪夢をみるんだろな。

 目を瞑ると見えたのは発展した世界。そこでは馬の無い鉄の馬車が黒と白の道を無造作に走っている。

「あぁ,また悪夢か…」


 ++++++++

 ニゲラ黒種草:「花言葉」 未来 夢で逢えたら。


 アセビ馬酔木:「花言葉」献身 あなたと一緒に旅がしたい。



 *****

「次はどこに行く?」

「お前と一緒ならどこでもいいさ」

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