ある男の手記

Kisaragi

第1話 「失踪」

 私には妹がいた。

 私は妹を愛していた。いや、愛しているというのは正しいのだろうか?

 まあいい。

 とにかく愛していた、といっておこう。

 あるときだった。今まで私たち家族は幸せに暮らしていた。そんな幸せも長く続かなかった。

 妹が失踪した。突然だった。つい先ほどまでそこにいたのにふっと消えてしまった。まるで神隠しに遭ったみたいに。

 それから私は全力をかけて妹を探した。

 情報提供を呼びかける張り紙などを作って貼ったりもした。しかし、成果はなかった。

 本当に何の情報も見つからなかった。どこにいったのか全くわからなかった。

 両親や警察は捜索を諦めてしまった。

 だが、私は諦めるわけにはいかない。

 絶対に見つけてやる。そう決意した。

 あるとき、こんなチラシを見つけた。


「迷子捜しから除霊まで何でもお任せ!

 凄腕霊媒師●●●!」


 藁にもすがる思いだった。

 私はその霊媒師に頼み、妹の場所を探してもらった。

 そうすると●●●●という場所にいることがわかった。

 正直その霊媒師の言っていることが正しいかはわからない。

 だが、私は妹を探すという目的を失ったらもう何も残らない気がした。だから、信じた。

 それから私はその場所を探索しようとした。その旨を霊媒師に伝えたらこう言われた。

「気をつけなさい。あそこは、数々の怪異の類いが集まる地。くれぐれも油断しないよう。」

 正直何を言っているのかわからなかった。

 でも、妹もそういう類いのものに巻き込まれたのかもしれない。

 だから一応気をつけよう。

 そうして私は霊媒師に礼を言い、立ち去った。

 それから私は●●●●にいく準備を整え、向かった。

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