推しとビデオ通話
「ウェーイ! ウェイ? ウェイウェイ! ウェウェウェーイ!」
謎の陽キャノリで舞斗ありすちゃんのその日の雑談配信は始まった。
【コメント】
ガルボん:いきなり喧しいな!?
ナナコオリ:似非陽キャが爆誕した瞬間を目撃してしまった
UMAFY:まあ、ありすちゃんは定期的に日本語を話せなくなりますから……
Rinta:不審者通報しました
コメント欄もありすちゃんのおふざけノリに盛り上がる。
俺も乗じてコメントを打つと、にこにこ笑いながら即座にありすちゃんが反応した。
「はーい通報とかできませーん。凛くんのスマホは何を発信しても必ずあーしに着信が来るように改造済で~す」
【コメント】
クリスティーナ:通話の始まりだ!
Mr.ラウンドレル:ついに噂のカレの声が地上波に流れるのか
ミヤミヤ:これがNTR……
猛獣八号:↑お前ファンやめてなかった?
ミヤミヤ:一周回ってアリになってきた。癖になる
癖になるな。
ありすちゃんが、リスナーの性癖を歪めた現場を目撃してしまった。
【コメント】
ミミ@アリスナー:不在連絡票があっても郵便局に電話できないの不便すぎィ!
あるんこす:怪我で救急車呼べないのも不便すぎィ!
豚トロ豆腐:不審なVを名乗るギャルを通報できないのも不便すぎィ!
ガールーダ:ドシンプルに違法改造なの草すぎィ!
お前ら仲良いな。
「え? 法なんかがあーしの愛を止められるとでも思ってんの? 普通に無理ですけどー……」
【コメント】
猛獣八号:愛万能すぎるだろ
あるんこす:ギャルかと思ったら地雷女だった……?
ガールーダ:これだからビッチはよ
UMAFY:いやありすちゃんはビッチというよりはメンヘラかつヤンデレの可能性の方が遥かに高いのではないかなと……凛太朗氏への執着ぶりを見る限り重い女であることは間違いありませんが
「えー? あーし重いかな……別に恋する乙女的には好きぴなカレピを縛り付けてでも24時間一緒にいたいって普通じゃね?」
【コメント】
Rinta:普通じゃないです。あ、ウーバーで注文したピザ届いたので取ってきます
猛獣八号:普通に通話できてて草
ひとまず、ピザを取りに行く。
支払いを済ませ戻ると……配信画面はすごいことになっていた。
「り~ん~く~ん~?」
なぜかめちゃくちゃ怖い顔したありすちゃんが、包丁(多分いら〇とやから拾ってきたやつ)を手に持って、配信画面の中で立っていた。
背景もいつものありすちゃんの部屋ではなく、謎に悲惨な血しぶきの飛び散る、ホラーテイストな背景画面……レ〇プ目をしたありすちゃんが、温度のない声で配信上で話しかけてくる。
「なんで? なんであーしの知らないところで、あーし以外の人と話しているの? ウーバーの人に電話したんだよねぇ? なんでぇ? なんであーしが電話相手じゃないのぉ? おかしくない? おかしいよねぇぇそういうのぉぉぉ……」
【コメント】
UMAFY:唐突に入るヤンデレモード……なるほど、これが闇
ナナコオリ:ウーバー注文するだけでキレられるの草
猛獣八号:理不尽なんだよなぁ……
クリスティーナ:宴の始まりだ!!
ミヤミヤ:↑なんでこの人宴しか言わないんですか?
ガルボん:↑さぁ……
「凛くん……凛くん凛くん凛くん凛くん……凛くんはあーしとだけ話せばよくない? なにか食べたいならあーしに連絡すればいいじゃん……凛くんのためならあーし、なんでも作るのに……ひどい、ウーバーに浮気するなんて……」
【コメント】
ガルボん:浮気wwww
あるんこす:ありすちゃんメシマズそう
ミヤミヤ:NTRでヤンデレでメンヘラで地雷系とか属性盛りすぎぃ……
Mr.ラウンドレル:まあ人気Vのくせに他のリスナーガン無視して凛くんのことしか見えてないヤベェ女だからよ……
「凛くん? ねぇ凛くん? なんで何も言ってくれないの? ほら……」
ありすちゃんが俺のIDをチャット欄に固定した。
「今凛くんのこと固定したから、みんなの前でしっかりちゃんと、釈明してくれないと……あーし、次なにするかわっかんないなぁ……?」
【コメント】
Rinta:ピザうめー
「……ぷっちーん」
ありすちゃんがそう呟いた直後、配信が唐突に終わる。
そしてスマホが鳴り響いた。
そのあとめちゃくちゃビデオ通話させられた。
推しのVが俺にガチ恋してることを公言してて困る 月野 観空 @makkuxjack
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。推しのVが俺にガチ恋してることを公言してて困るの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます